ROBOTIS-MINI用モーション(2016年公開)

はじめに

2015年のヒト型レスコンで目視部門第3位に入賞した「アクイーア」(大阪電気通信大学 自由工房HRP)が、実際の競技で使ったモーション(動きのプログラム)を公開します。「アクイーア」は、市販されているROBOTIS社のヒト型ロボットのキットROBOTIS-MINIを少しだけ改造したもので、他の方も容易に真似をすることができるはずです。このモーションは、大阪電気通信大学 自由工房 の牛尾さんと植村さんが作成したもので、公開の許可をもらいました。

なお、より改造の少ない基本的なモーションが知りたい方は、2015年に公開した内容も合わせてご覧ください。

ヒト型レスコン2015の実績

ビデオでご覧ください。

ファーストミッション

ファイナルミッション

ロボット本体

ROBOTIS-MINIのキットを以下の3点改造しました。

  • 首関節のヨー軸のRCサーボを追加。
  • 段差の上で足が滑らないように、足裏の後縁にビニルテープを貼付。
  • 要救助者の脇を抱えるために、手の取り付け方向を90度回転。

P1190007 P1190009

モーション

ROBOTIS社のモーション作成アプリケーションR+Motion 2.0用のプロジェクトのファイルです。

DARWIN-MINI-rescon-oecu-20151101.mtnx

これは、ROBOTIS社が配布している見本のプロジェクトのモーション名をDr.GIY氏が日本語に置き換えたものを基にしています。モーション番号43番以降にレスコン用のモーションを追加しました。以下の表は、見本のモーションのうちレスコンに使うもの(ボタンに割り当てたもの)1~20番と、レスコン用に作成したモーション43~67の説明です。

モーション番号 モーション名 モーション説明
1 初期姿勢 ロボットの基本姿勢。
2 起き 倒れている状態から起き上がる。
15 右向け右 右を向く。
16 左向け左 左を向く。
17 右へ(サイドステップ) 正面を向いたまま右へ移動する。
18 左へ(サイドステップ) 正面を向いたまま左へ移動する。
19 前進 前に進む。
20 後進 後ろへ進む。
43 台上り 台に上る。背中から台に上る。
44 台前進 「台上り」の後に行う。台の上で足を動かし完全に台に乗る。
45 人形搬送 人形を引っ掛けたまま後ろ歩行する。
46 人形持ち上げ 「人形確保」の後に行う。人形を引っ掛けたまま立ち上がる
47 しゃがみ歩き 人形の後ろから人形の上腕に自分の手をひっ掛ける。
48 ほふく前進 「ほふく準備」の後に行う。台をくぐる。足を広げ、床を蹴って進む。
49 ほふく準備 「ほふく前進」をする前に行う。床に仰向けになる。
50 人形搬送(右旋回) 人形を引っ掛けたまま右に旋回する。
51 瓦礫除去(右手) 自分の前方にある瓦礫をどける。右腕を右から左へ動かして瓦礫を左にどける。
52 瓦礫除去(左手) 自分の前方にある瓦礫をどける。左腕を左から右へ動かして瓦礫を右にどける。
53 瓦礫除去(上1) 瓦礫の上にある瓦礫をどける。両腕で上にある瓦礫をはさむ。
54 瓦礫除去(上2) 「瓦礫除去(1)」の後に行う。瓦礫をはさんだまま後ろに倒れることで上にある瓦礫をどける。
55 瓦礫除去(上3) 「瓦礫除去(2)」の後に行う。がれきを離し蹴り上げがれきを遠くに飛ばす。起き上がり時に瓦礫を蹴り、人形に当たらないようにする
56 人形確保 人形の両腕に自分の手をひっ掛けることができたら行う。人形を持ち上げるために位置を調整する。
57 右手ひっ掛け しゃがみ歩きで左手に人形の左腕だけが引っかかった場合に行う。
58 左手ひっ掛け しゃがみ歩きで右手に人形の右腕だけが引っかかった場合に行う。
59 台前進2 「台前進」の後から行うモーション。台の上で進む。
60 台降り 台の上から降りる。肘をついて台から降りる。降りた後ほふく前進か台移動で台から離れて起き上がる必要あり。【時間がかかるので使っていない】
61 人形搬送(左旋回) 人形を引っ掛けたまま右に旋回する。
62 ほふく旋回(右) 台くぐり中、ほふく前進を行っている最中にロボットの向きを変えたいときに行う。ロボットが右に20~30度ほど傾く。
63 ほふく旋回(左) 台くぐり中、ほふく前進を行っている最中にロボットの向きを変えたいときに行う。ロボットが左に20~30度ほど傾く。
64 瓦礫除去(正面1) ロボットの正面に横向きに立てて置かれている瓦礫をどけるためのモーション。両腕で瓦礫を挟む。
65 瓦礫除去(正面2) 瓦礫除去(正面1)の後に行う。瓦礫を挟んだまま後ろに倒れることで瓦礫をどける。このモーションを行った後、55番の「瓦礫除去(上3)」を行うことで掴んだ瓦礫を飛ばす。
66 瓦礫除去(縦正面1) ロボットの正面に縦向きに立てて置かれている瓦礫をどけるためのモーション。両腕で瓦礫を挟む。
67 瓦礫除去(縦正面2) 瓦礫除去(縦正面1)の後に行う。瓦礫を挟んだまま後ろに倒れることで瓦礫をどける。このモーションを行った後、55番の「瓦礫除去(上3)」を行うことで掴んだ瓦礫を飛ばす。

操縦

AndroidのアプリROBOTIS MINIを使う場合には、画面上でモーションを選ぶボタンの配置を自由に設定できます。また、ボタン上にモーションの名前を表示することができます。Android内のROBOTISのフォルダ内の「ROBOTIS MINI btn.dat」というファイルを以下のファイルに置き換えると、上のモーションを操縦するのに都合のいいボタン配置になります。

ROBOTIS MINI btn.dat

実際の画面の例を以下に示します(画像をクリックすると大きな画像が表示されます)。

さらに、上述のプロジェクトファイル「DARWIN-MINI-rescon-oecu-20151101.mtnx」をAndroidのROBOTISのフォルダにも入れておき、「設定」のメニューの「モーションファイルの設定」で指定してやると、ボタンを編集する際にモーションリストから選択できるようになります。

なお、PCとAndroid機をUSBで接続する場合に、MTPモードに設定しないと、ROBOTISのフォルダが表示されないことがあるようです。

動画

YouTubeの再生リストをご覧ください。15個の動画が含まれています。

参考