「第22回全日本ロボット相撲 全日本の部・全国大会」参戦記

2010年12月19日、東京・国技館において、第22回全日本ロボット相撲 全日本の部・全国大会が開催されました。海外からの招待選手を含め102台のロボット力士が、ラジコン型部門と自立型部門に分かれ厳しいトーナメントを繰り広げ横綱の座を競いました。自由工房から出場した石川聖卓君(電子機械工学科1年)がラジコン型で3位に入賞。技術講師の木嶋康道先生が自立型で優勝と、見事な成績をあげました。

レポート

今年は、8月から全国9地区で開催された予選に、延べ1200台ロボット力士が出場しました。国内の全国大会出場台数は、自立型・ラジコン型それぞれ48台と少なく、地区大会を勝ち抜き全国へ出場権を獲得するのは非常に厳しいです。

その中で、大阪電通大自由工房からは、自立型へ平窪一貴君(電子工学科4年)、山中拓也君(電子機械工学科2年)、魚井成晃(機械工学科1年)。ラジコン型へ富田信君(電子機械工学科2年)、石川聖卓君(電子機械工学科1年)が出場を獲得しました。

全国大会5名出場は、自由工房のロボット相撲プロジェクトとして過去最多記録です。また今年の全国大会には、大阪電気通信大学以外に4大学が出場しており、大学チームとしても最多出場台数です。

公式サイト結果

全日本ロボット相撲大会 第22回全日本の部・全国大会

ラジコン型

3位入賞:石川聖卓(電子機械工学科1年)
1回戦敗退:富田信(電子機械工学科2年)

自立型

優勝   :木嶋 泰道(港湾職業能力開発短期大学校)
ベスト12 :平窪一貴(電子工学科4年)
1回戦敗退:山中拓也(電子機械工学科2年)
1回戦敗退:魚井成晃(機械工学科1年)

ラジコン型部門

昨年までは、パワー型のロボットが勝ち上がる傾向にありましたが、今年は、スピードとパワーのバランスが取れている完成度が高く安定したロボットがトーナメントを勝ち進んでいました。

ラジコン型に出場した石川君は、厳しいトーナメントを勝ち進み3位に入賞しました。優勝決定の三つ巴戦は、石川君の出身校である香川県立三豊工業高校の2台のマシンと対戦になりました。石川君のマシンは安定性も高く、優勝も狙えると思ったのですが、後輩との対決ということで焦りもあったのか惜しくも3位という結果になりました。とても、よい取り組みで健闘しました。

優勝はしたのは、「八代将軍(香川県立三豊工業高校)」でした。

香川県立三豊工業高校の顧問でいらっしゃる瀬尾文隆先生と勘原利幸先生は、今年6月に自由工房のオープンセミナーで講師をしていただきました。生徒の皆さんも積極的にセミナーや電通大杯に参加していただいています。

自立型部門

平窪君がトーナメントをベスト12まで勝ち上がりました。富田君、山中君、魚井君は、残念ながら初戦敗退でした。優勝し横綱の座に就いたのは、自由工房の技術講師を努めていただいている木嶋康道先生(港湾職業能力短期大学校)の「六次元K」です。

全国大会の経験と結果を分析し、より強いロボットを作っていきたいと思っています。全国大会に出場したメンバーはもちろん、サポートに回ったメンバーも、来年度に向けて新しい闘志が湧いています。

今年、全国大会に出れなかった人は来年の出場権獲得、全国大会を経験したメンバーは1つでも上にあがれるように、気合いを入れていきます。

スナップ






大会の感想 ラジコン型

石川聖卓君(電子機械工学科1年)

「大電通APO」で出場しました。高校時代から、通算3回目の全国大会出場です。過去最高の3位入賞を果たしました。

高校1年の時は、初戦敗退。3年生の時は、ベスト6でした。高校生時代は、悔しい思いばかりだったので、「今年こそは」という意気込みでマシンも改良し、作戦も考え大会に挑みました。

3回目なので、会場の空気には慣れているつもりでした。しかしいざ試合になると、緊張で考えがまとまりませんでした。この緊張感も全国大会ならではの醍醐味です。緊迫した空気が良い刺激となり、気合いの入った戦いができ予選グループBの代表となれました。

決勝リーグの相手は、三豊工業高等学校の2人でした。後輩との勝負と知った時、少し気持ちが和らいだのと、決勝リーグにいるプレッシャーで精神が弱くなってきました。

そんな気持ちで決勝リーグに挑んでしまったためか、自爆したり自分のマシンを見失ったりとミスが多く、後輩達に負けてしまいました。優勝まであと一歩という勝負だっただけに、後悔が多いです。

大会を通じて、今のマシンの問題点も見つかりました。この悔しさもバネに、また1年間がんばりたいと思います。

富田信君(電子機械工学科2年)

「刃蒼」で出場しました。対戦相手は神奈川工科大学のLというロボットでした。

1本目は正面から入ってしまい、相手を飛ばすことができました。しかし、押し切る量が足らずに相手が土俵に残ってしまいました。自分のロボットが、カドを向けて止まってしまっていたところに反撃を受けて負けてしまいました。

2本目は、ロボットを仕切るときに失敗してしまいました。相手に対して角度が浅いまま突っ込んでいき、相手がうまく引いてカドを狙ってきたところでやられてしまいました。

全国大会前に、気の緩みがあり練習量が足りなかったと思います。電通大杯に向けて、さらに練習をつみ挑みたいと思います。

大会の感想 自立型

平窪一貴君(電子工学科4年)

「大電通平侍」で自立型部門に出場しました。結果は、3回戦敗退でベスト12になりました。

トーナメントの前に、招待選手と対戦をしました。対戦相手は「Latvia Tacka_v3(Maris Anele(ラドビア)」です。

1本目は、相手のカドを狙い、思い通りの取り組みで勝つことができました。この時、相手のブレードがたいしたことがないと確証を得て、2本目は正面勝負を挑みストレートで勝ちました。

1回戦の相手は、「ゴーアヘッド翔(チーム両国)」でした。1本目は相手のカドをうまくことができ、先取しました。2本目は正面勝負になり、相手を押し出して勝ちました。

2回戦目は、「エビス4号(矢部工務店)」と対戦しました。1本目で相手に正面勝負を挑み、取り直しになりました。しかし、相手のブレードが破損し反則を取られ、勝ち星を拾いました。

3回戦目 相手は常連の「NORISK(マルす同好会)」でした。1本目は正面勝負になり押し出されましたが、相手がフライングを取られたのでラッキーでした。1本目の取り直しで、相手のカドを狙いましたが、こちらが動かない内に相手に押し出されてしまいました。

2本目は 相手の横を狙うようプログラムを選びましたが、相手も横から攻めてきていました。旋回の速度が相手のほうが速く、捕らえられ残念ながら負けました。

3回戦まで勝ち上がれたのは、武器の調整がうまくいっていたのと相手のカドをうまく狙う作戦が有効だったからです。

「NORISK」には、始動速度についていけませんでした。NORISKが、フライングぎりぎりの特攻を仕掛けてくるのに負けてしまいました。また、武器のヘタリに対応しきれなかったのが悔やまれます。なによりも、全国大会の舞台で自分自身の緊張を制御しきれなかったことが大きな敗因でした。

今後は、メンタル面を鍛え緊張を抑えること、もっと洗礼されたフライング対策を導入することを行っていきたいです。1月の電通大杯では、優勝できるようにしたいと思います。

魚井成晃君(機械工学科1年)

「大電通心太」で、初めての全国大会に出場しました。初めてなので、少し緊張して大会に臨みました。結果としては、初戦敗退です。

敗因は、ロボットの調整が甘く試合の時に動いてくれなかったことです。こんな結果になってとても悔しいです。また、支えてくれた人たちに申し訳なく思います。この悔しさをバネにして、来年も全国大会に出場したいです。

大会の感想 サポート

大林尭史君(電気電子工学科2年)

今回、自立型の平窪さんの補助員として全国大会に参加しました。平窪さんは、大会の緊張からか、準備中に焦って手を怪我をするトラブルもありました。サポートの最大の仕事は、平窪さんを落ち着かせることでした。

私は、ラジコン型部門で活動しているので、自立型の整備はあまりわかりません。その分、作戦を立てるのをがんばりました。

最初に海外招待枠の選手とあたりました。海外の人がどのようなマシンを作っているのかを、間近で見られてよかったです。

3回戦目では、相手に対して左にずれらして置いて戦う作戦を立てました。しかし、置くのに失敗してしまい、相手がずらしてきたので平窪さんのロボットが右にずらして置くような形になってしまいました。この時、その場でとっさに作戦を立て直し、1本取ることができました。補助員として、役に立てて嬉しかったです。

今回は補助員で参加になりましたが、次回からは自分が選手として全国大会に出たいと思います。

畠中一輝さん

今回は、魚井君の補助員として全国大会に参加しました。

試合の内容としては、相手と正面でぶつかりましたがブレードで負けてすくわれ、押し出されました。魚井君がフライングをしたので取り直しになりましたが、相手とぶつかったせいか片方のタイヤが回らず、動かなくなり負けてしました、

全国大会の大舞台としては、残念な試合内容でした。