二足歩行ロボット競技会&交流会「ロボゴング11」出場記

2010年1月16日(土)、大阪産業創造館において「ロボゴング11」が開催されました。

ロボゴング11は、初心者向けのバトル競技会で、勝敗よりも参加者同士の交流を目的としています。市販キットでも出場可能なSRC(スタンダードレギュレーションクラス)には、21体が出場。自由工房のヒト型プロジェクトからは、6体のロボットが出場しました。

久しぶりの競技会だったため、勘が取り戻せずにトーナメントは森田庸介君(医療福祉工学科4年)が1回戦を突破したものの、上位に進むことが出来ませんでした。しかし、敗者復活戦の2×2バトルトーナメントでは、清家拓也君(メディアコンピュータシステム学科1年)が、見事に優勝。メダルを獲得しました。

会場では優勝したシャボザックの製作者であるシャボルト氏や、他の参加者の方々と積極的に技術交流をし、新しい知識やアイデア、なによりもモチベーションを吸収してきました。







公式サイト

ロボゴング11
ロボゴング大阪11 リザルト

大会の感想

清家拓也君(メディアコンピュータシステム学科1年)

初めて大会に出場して、他の人のロボットやモーションを間近に見ることができました。SRC1.8kg級トーナメントは、第1試合だったため非常に緊張しました。無線トラブルでロボットが動かないまま、ダウンを取られてしまいましたが、タイムを申請することも自分では判断できませんでした。審判の助言でタイムを取り、メンバーに助けてもらって再起動できました。その後ロボットは動くようになりましたが、試合には負けてしまいました。

敗者復活戦の2×2は、緒戦はペアを組んだ人の足手まといにならないよう気をつけていました。なんとか勝ち上がることができ、優勝することができました。嬉しかったです。

今回のロボットは、プラ棒で腕を延長するなど工夫しました。自作の右腕は、今大会には間に合わなかったのですが、次回には搭載したいです。すこしずつ加工していき、最終的には完全自作ロボットを目標にしています。ロボットはモーション作成も楽しいし、試合に勝つためには重要なので、次回はモーション作成に掛ける時間も多くとりたいです。

森田庸介君(医療福祉工学科4年)

市販機のRB2000に大腿部ロール軸と肘の軸を追加した「Lucky」で参戦しました。1回戦の対戦相手は、同じRB2000の「ねこ」でした。ねこはノーマルの13軸で横移動できないため、その弱点を突いて勝利することができました。

2×2は、初めて会う人とタッグを組んでバトルをするので、勝手が違いました。きちんと作戦を立てて、試合に挑むことが重要だと感じました。Lucky用のモーションを作成し、大会に向けて操縦練習をしてきましたが、思ったより安定性が低かったのは残念です。

二足歩行ロボットは4年目になりますが、今年は卒論等忙しくて思うように活動できませんでした。1年振りに競技会に参加したので、勘がかなり鈍っていました。

最後にほぼ全員参加で行われたランブルは、予選を勝ち抜き決勝まで進めました。タイムアップ直前、Winポジションとなっている×マークの近くに陣取ろうとしたのですが、僅差で負けてしまいました。久しぶりに会場に来て、バトルの熱さを思い出し楽しかったです。

帖佐幸治君(デジタルゲーム学科3年)

1005gの軽量機「春嵐(シュンラン)」で出場しました。春嵐は、最近注目を浴びているU1Kクラス(1kg以下級)を意識して製作しました。「自分より大型機体に対して、どれだけバトルできるか」と考えていましたが、同じU1K機のJO-Zeroに負けてしまいました。

JO−Zeroは市販キットですが、対戦相手のオペレーターは開発者の中村さんだったので経験の差を感じました。自分ももっとモーションの作り込みをし、操縦技法を向上させていきたいです。

2×2バトルは、大同工業大学の麦茶とタッグを組みました。春嵐は、SRC機体には歯が立たないので、バトルは麦茶に任せました。1回戦は勝ち上がりましたが、2回戦では通用しませんでした。

機体は、ジャイロ・スピーカー・アシストスプリング等搭載したいものは実装しました。コンセプトに拘って製作しているものの、バトルに弱いのは辛いものがあります。今後は、U1kに出場して実力を発揮したいです。

石塚拓也君(電子機械工学科2年)

1回戦で、今大会4位になったロボットと対戦してしまいました。バトルではよい結果を残せなかったけれど、競技会に出たことで、準備不足を実感できました。走らせた後にロボットがふらつくなど、モーションが安定していないし、とっさにコントローラーの操縦ができないなど課題が見えてきました。せっかく、トルクが高いサーボを膝や肩に搭載しているので、次回はロボットの性能を活かしたいと思います。

2×2は、ペアの方の活躍で1回戦を勝つことができて嬉しかったです。

荒柴祥太君(情報工学科1年)

競技会には、約半年ぶりの参加になります。久しぶりなので、焦ってしまい狙った通りのポジショニングができませんでした。以前のバトルでサーボを痛めてしまった経験があり、積極的に攻撃に出るのが怖くなっています。

今回は、バトルメインで考えていたので、パフォーマンス系のモーションを全て外し、操縦中の誤動作を防ぎました。それでも2×2では、JO−Zeroに懐を狙われていることが判っているのに、とっさに動くことができず回避できませんでした。あがくだけで一杯一杯の状況でした。

高校時代から二足歩行ロボットをやっていますが、今までは一緒に開発をする仲間がいませんでした。大学に入学してから、プロジェクトの先輩からCADの使い方を教えてもらったり、プログラムのアドバイスをいただいたり技術が向上しています。

次回には、自作のミサイル発射装置を取り付けたり、足にクッションを入れてしゃがみ込んだ時のサーボへの負担を減らしたり、オリジナリティをアップしていきたいです。

福田拡司さん(技術講師)

市販機MANOIに腰ヨー軸を追加した「ムラクモ」で出場しました。改造したばかりだったため、モーションの作成が間に合わず、思うように動かすことができず残念でした。今はまだノーマル機のプログラムが残っているので、一度リセットして全て作り直します。歩行モーションを作り込み、もっと機敏な移動を可能にします。また、コントローラーも改良し操縦性をアップする予定です。

今回、メンバー全員が、期待するような成績を残すことができませんでした。しかし、競技会に参加したことで、他の出場者の方々と交流ができ、さまざまなアドバイスを聞くことができました。メンバーのモチベーションはアップしたので、この経験を今後の活動に活かしていきたいです。