「第3回電通大杯 ロボット相撲大会」自由工房メンバ 参戦記

2010年1月30日(土)大阪電気通信大学寝屋川キャンパスの自由工房にて、第3回電通大杯「ロボット相撲大会」を開催しました。40台の募集に対して、多くの申込がありました。そのため、出場枠を44台に拡大して実施しました。

ロボット相撲 ロボット相撲

レポート

2009年6月から12月まで8回に渡り、定期的にオープンセミナーを開いてきました。全国大会で活躍している方々を講師に招き、強いロボット相撲の研究をしたり、初心者を対象としたハード製作やプログラムを基礎から学びました。電通大杯は、年間を通じたオープンセミナーの総括として、1年を通じて学習した成果を披露する場として設けました。

大会は、高校生と一般参加を分け、それぞれ全国大会出場経験がある人(Aクラス)、これから全国を目指す人(Bクラス)として、トーナメント戦を行いました。

北は北海道の美唄高校、南は九州大分県の国東高校まで、島根、富山、香川、和歌山、広島と全国各地からの参加がありました。遠方から出場の高校生達が、交通費を自費で捻出して来たことにも、ロボット相撲に掛ける熱意を感じました。

電気通信大学自由工房からは、一般の部Aクラスに富田 信君(電子機械工学科2年)、Bクラスに平窪一貴君(電子工学科3年)、畠中一輝君(電子機械工学科2年)、大林尭史君(電気電子工学科1年)、山中拓也君(電子機械工学科1年)、林 雄一君の6名が参加しました。

ロボットが土俵から数メートルも弾き飛ばされるような激しい取り組みが続く中で、山中 拓也君が見事初優勝。、大林尭史君が初の自作マシンで4位と1年生メンバーが大活躍しました。平窪一貴君と富田 信君も3位入賞と健闘しました。

ロボット相撲 ロボット相撲
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大会の感想

山中 拓也君(電子機械工学科1年)

ロボット相撲 一般Bに出場し、初優勝できました。

ロボット相撲は、大学に入ってから始めました。地区予選には、自由工房のマシンで出場し、最高成績は中国大会の3回戦進出でした。

今回のロボットは、夏から作り始めた自作機です。オープンセミナーで勉強し、先輩達にアドバイスをいただいて作りました。プログラムは林先輩から譲り受け、移動距離や時間の設定を自分なりに変更しました。

決勝戦は、とても緊張しました。自律型は、取組の相手を見て対戦モードを選ぶのも重要な作戦です。試合の経験値が足りないところを、林さんがサポートしてくれました。

今後はプログラムを改造して、フェイントを掛けたり、相手によってモードを選んだりできるように攻め方のバリエーションを増やし、多様な戦い方ができるようなロボットにしたいです。

今大会は、自分にとって非常に貴重な体験になりました。この経験を活かし、来年度の全日本ロボット相撲大会でも、いい成績を残せるように頑張っていきたいと思っています。

平窪一貴君(電子工学科3年)

ロボット相撲ロボット相撲一般Bに出場し、結果は三位でした。三位入賞は嬉しいけれど、運に頼った部分が大きいので少し後悔があります。

今年の地区大会は、東海と近畿でベスト16になったのが最高成績でした。最後の地区大会(九州)で、ロボットに旗をつけました。この旗を有効に使うプログラムを考えてましたが、まだ上手く働いてない感触です。もう少しブラッシュアップが必要だと感じました。

地区大会後、電通大杯用にプログラムを改造しました。センサが相手ロボットを検知した時に、相手に俊敏に反応ができるように工夫しました。その成果を試したかったのに、全然関係のない部分で、相手に勝ったり負けたりした点が残念です。

来年に向けて、相手の動きに素早く対応し、旗に騙されないようなプログラムに改造していきたいです。今大会の結果を分析し、今後のマシンに活かしてプログラムをブラッシュアップします。

畠中一輝君(電子機械工学科2年)

ロボット相撲一般Bに出場し、初戦敗退でした。2連覇を目指していましたが、このような結果に終わり悔しいです。

自分のロボットは、新設計の旗を搭載する予定でしたが、大会直前に壊れてしまい作り直しが間に合いませんでした。そのため、旗なしで出場しました。

1回戦の対戦相手は、平窪先輩でした。まず後に下がってフェイントを掛けてから、一気に攻め込む作戦でしたが、うっかり下がって待つモードを選択してしまいました。この作戦ミスが、大きな敗因です。

ロボットはバッテリの電圧を増やし、去年よりもスピードを上げて推進力もアップしました。プログラムミスも減り、完成度が上がってきていましたが、ヒューマンエラーが出てしまいました。

緊張しているつもりはなかったのですが、やはり試合中はいつもとは違う精神状態にあるようです。全国大会や決勝戦は、今回とは比べものにならないくらい緊張すると思います。そうした緊張した中でも、冷静に操縦できるようになりたいです。

負けた後は気持ちを切り替え、他のマシンをじっくり観察、また選手との交流を積極的に行いました。多くの情報を得られたので、これを生かして、来年度は全国大会に出場できるようにがんばっていこうと思います。次回の電通大杯では、優勝を目指します。

富田 信君(電子機械工学科2年)

ロボット相撲ロボット相撲ラジコン型ロボットで一般Aに出場し、3位という結果を出しました。

自分の必勝パターンは右から攻める戦法です。ところが、準決勝で対戦相手の中岡先生には、左から攻めた方が有効と考えていつもと違うパターンを試しました。これが、うまく行きませんでした。

ラジコン型同士ならば、試合前に相手との腹の読み合いがありますが、自立型ロボットは、考えが読めないのでやりにくいです。ロボットの反応も、人が操縦している場合と違うので、攻め込むのが難しかったです。

1本目は相手ロボットが思った通りの動きをしてくれましたが、負けてしまいました。2本目は、予想外の動きをしてきたので、とっさに対応しきれませんでした。

自分のクセで、右からの方が攻めやすいので、ついつい必勝パターンに頼ってしまいますが、どの方向からでも同じように攻め込めるように練習を重ねる必要を感じました。

次回は、操縦練習をしてもっと上を目指したいと思います。

大林 尭史君(電気電子工学科1年)

ロボット相撲電通大自由工房に参加して初自作機のラジコン型ロボットで、出場しました。一般Bで4位になりました。

新ロボットは、2ヶ月くらいかけて、富田さんと共同開発しました。設計は二人で相談し、自分のアイデアも盛り込んでいます。

工夫した点は、車体を低くし、ロボット前面の角度を30度くらいにしたことです。センサに捉えられにくく、また相手ロボットが乗り上げやすい形状を目指しました。

一回戦は、強豪の国東高校とあたりました。初戦敗退を覚悟しましたが、新マシンのコンセプトがきっちりと決まりました。前カバーに相手が乗り上げてくれて、勝つことができました。

その後は順調に勝ち進み、準決勝で山中さんと対戦。マシンの調整不足がたたり負けてしまいました。

実は、新ロボットが完成したのは、大会2日前でした。時間が足りず、調整ができませんでした。土俵への吸着力が弱く、タイヤがスリップしているのを1回戦から感じていました。当日、試合間でのロボット調整は難しく、操縦で性能をカバーしていた状態です。

今大会に出場し、新作ロボットの欠点が見えてきました。今後は、今のロボットをしっかり観て調整し、設計も見直してブラッシュアップします。来年は、全国大会上位を目指したいです。

林 雄一さん

ロボット相撲ロボット相撲今回の電通大杯は、後輩の指導をしながら一般Bに参加しました。

1回戦目に、1年生の山中君と対戦しました。山中君のロボットは、マシンはほぼ同一で、自分のプログラムを提供しているため、ある意味で自分自身との戦いになりました。

自分のロボットは、旗を斜めに出すように改良していました。違っているのはその位で、作戦はほぼ一緒ですが、山中君のパターンの選び方は読めませんでした。

新作ロボットで出場した山中君は、プログラム通りの性能がでていましたが、自分のロボットは、機体にガタが出ていて性能を出し切れませんでした。マシン調整が甘いというのが、結果に明らかに出てしまいました。

初優勝した山中君には、この大会は非常にいい経験になり、自信がついたと確信できます。自分としても、自分自身のプログラムと対戦することで、プログラムの弱点を客観的に観ることができました。今回の経験は、これからのブラッシュアップに大いに役立ちます。