「第9回レスキューロボットコンテスト」後編
「第9回レスキューロボットコンテスト」の初日に行われたファーストミッションで、自由工房のレスコンプロジェクト「救命ゴリラ!」チームは、19チーム中3位の成績をあげ2日目のファイナルミッションへ進出しました。
本稿では、ファイナルミッションのレポートをお送りします。
目次
ファイナルミッション
ファイナルミッション成績
総合成績
競技を振り返って
ファイナルミッション
9日の午前中に、ファーストミッションの5位〜10位チームによるセカンドミッションが行われました。セカンドミッションの上位2チームもファイナルに出場できます。そしていよいよ午後にファイナルミッションです。救命ゴリラ!は、ファイナルの第1競技に、MS-Rと一緒に出場しました。森口貴博君(メディアコンピュータシステム学科4年)のプレゼンテーションは、2分ぴったりで終わりました。
ファイナルミッションでは、ベースゲートからフィールド内に入るところにガレキの山があったり、家ガレキにガレキが乗っていたりと災害現場の状況が厳しくなっていました。また、同時にミッションを行うMS-R側のフィールドにも救助するダミヤンがいるため、MS-Rチームと通路の譲り合いが必要になります。更に自分達のヘリテレからでは、ダミヤンの周囲が把握できないような状況もあるため、コントロール間通信で情報をやりとりする必要があります。
去年も、ファイナルミッションでMS-Rと一緒にミッションを行いましたが、その時はコントロール間通信を効率的に使いこなすことができませんでした。今年は、2号機が赤ダミヤンを救助しようとしているところにMS-Rのロボットがいたので、場所を譲ってもらうように依頼したり、ヘリテレで発見できない青ダミヤンの周囲の状況を教えていただいたりと有効に活用できました。
そのおかげもあって、全てのロボットがスムースに動き迅速な救助活動が行えました。下の写真からも、2号機が赤ダミヤンを救助に取りかかろうとしている向こうで、3号機が家ガレキからダミヤン救助をしようとしているのが分かると思います。その時、1号機も青ダミヤンの周囲のガレキをアームで丁寧に除去し、救出を行っていました。
ファイナルミッション成績
総合成績
総合成績は、ファーストミッションポイント+ファイナルミッションポイント+審査員ポイントの合計で算出されます。
チーム名 所属 |
ファースト | ファイナル | 審査員 | 総合 |
---|---|---|---|---|
MS-R (金沢工業大学 夢考房) |
228 | 154 | 405 | 787 |
救命ゴリラ! (大阪電気通信大学 自由工房) |
234 | 276 | 435 | 945 |
なだよりあいをこめて (神戸市立科学技術高校 科学技術研究会) |
154 | 153 | 380 | 687 |
SHIRASAGI (兵庫県立大学ロボット研究会) |
113 | 30 | 170 | 313 |
レスキューHOT君 (近畿大学産業理工学部) |
248 | 244 | 295 | 787 |
レスコン工房 (名古屋工業大学 ロボコン工房) |
355 | 345 | 500 | 1200 |
競技会を振り返って
2日間で、3体のダミヤンを救助した3号機子機のオペレーター中島誠君(メディアコンピュータシステム学科4年)は、「いい働きができました。90点の出来です」と満足なコメントでした。親機を受け持った高橋裕一朗君(情報工学科2年)も、「2人で声を掛け合って操縦していました。子機との連携が上手くいってよかった」と笑顔でした。2号機の上野晃裕君(応用化学科4年)は、「扇プレートを使う場面がなかったのが、少し残念」といいつつも、MS-Rのロボットと道を譲り合いながら落ち着いた救助ができたことを評価していました。
今回、ミッションで全ダミヤンを救助できたのは、ロボットを早くに完成して何度も操縦練習する中で、機体の微調整を重ねてきたからだと思います。正直、ミッションの成績がよかったにも関わらず、賞を取れなかったことが悔しいです。分かりやすいアピールで技術を紹介するなど工夫が必要だと感じました。来年度、新しいチャレンジの中に今年の反省点を活かして、よりよりレスキュー活動でもっと上を目指したいです。