第22回全日本ロボット相撲大会 北信越大会
9月12日、金沢市立工業高等学校で行われたロボット相撲北信越大会で、平窪一貴君(電子工学科4年)が優勝、山中拓也君(電子機械工学科2年)が5位入賞し、全国大会出場権を獲得しました。
二人は、12月19日に東京両国・国技館で開催される「第22回全日本ロボット相撲大会 全日本の部全国大会」へ出場します。
■公式サイト:全日本ロボット相撲大会
スナップ
大会レポート
平窪一貴君(電子工学科4年)
今回の大会前、マシンバランスが少しずれている以外は、ロボットに問題なかったので「ある程度までいけるのでは?」とは思っていました。
結果、優勝できましたが、振り返ってみるとギリギリな試合が多く、まだ調整すべき点があると思いました。
第2試合
緒戦は不戦勝で、した。ロボット相撲歴4年目ですが、やはり試合では緊張します。中でもトンーナメントの最初の立ち合いは、一番緊張するところだと思います。逆に言えば、最初の1本をとれれば、後の試合も落ち着いて進めることができます。
対戦相手は、ゼファー(東洋電子工業)でした。1本目は、後ろに下がって相手が来るのを待つモードを選択しましたが、相手に押し出されました。そこで二本目からは下手に待たず、攻めるモードでいくことで勝つことができました。
旗の格納を忘れるミスがありましたが、立会の作戦は落ち着いて選択できたのが勝因だと思います。
第3試合
3試合目は、同じ自由工房の大電通智(畠中一輝さん)との対戦になりました。ロボットの駆動系の性能がほぼ同等であるため、武器の選択や作戦が勝敗を決める戦いになります。大電通智は撹乱策として、大きな旗を搭載しているロボットなので、自分は旗対策のモードを選択しました。仲間内との試合は、相手の作戦がわかってしまうため、相手の行動を読んで作戦を考えました。
普段のロボット調整でも、作戦と立会いのプログラムに力を入れていました。この一戦でその確認と実証ができたのがよかったです。
第4試合
4試合目も、自由工房メンバーとの対戦になりました。今度は、大電通夜光(山中拓也君:電子機械工学科2年)です。
大電通夜光も旗を搭載しているロボットで、攪乱モードを持っています。いかに旗にごまかされずに、センシングし攻撃できるかが重要になります。1本目をとられヒヤヒヤしましたが、その後2本とりかえし勝つことができました。
第5試合
5試合は夏色(富山県立富山工業高校)と対戦しました。
撹乱用の旗を有効に使う作戦をうまく選択できました。2本目は、出遅れたのか少しスタートが遅かったです。ヤリの調整も腕が上がってきて、ちゃんと先端で相手を受け止めて攻撃できました。この試合は、武器とプログラムがうまく動作して勝つことができました。
ただプログラムが誤作動を起こし、1本取られています。修正が必要だと思いました。
優勝決定戦
決勝を勝ち上がってきた桜(Team-Q 四日市中央工業高校)は、スピードとパワーを兼ね備えたロボットでした。
1本目は、両方のマシンが立会いでの作戦を外し合い、その後センサーの読み合いでこちらが先に相手を見つけ押し出しました。
2本目は、相手の作戦に当って押し出されてしまいました。
1−1で迎えた3本目。1本目と同じような展開になりましたが、相手のマシンが自分から落ちていったため、私が優勝できました。
私のロボットは撹乱用の旗を搭載しているためシーケンシャル行動の立会いを選択してきたようで、読み合いになることが多かったです。ステルス効果もあるため、ロボットのセンシングミスが若干ありました。
大会を振り返って
今大会の勝因には、以下があげられます。
- 武器の調整がうまくできていて正面負けをしなかった
- プログラムが働いて相手をある程度センシングできていた
- 運がよかった
全国までには、大会の反省から次の点を改善したいと思います。
- センシングがまだ不十分な部分があったためそこの改善(特に作戦行動中)
- 相手のフライングに対する対策とタイマーの改善
- マシンの曲がり癖の調整
- 人間(私)のミス(スイッチタイマの練習)
全国大会では、悔いのないように大会に臨み、運よりも実力で勝ちたいと思います。
林さんからコメント
ロボットに安定感がでてきたことが、作戦プログラムにつながり今回の結果に至ったと思います。4年生の最後で、努力が結果に出てとても嬉しく思います。全国大会に向けてさらに分析、改良を行い、万全の体制で望んでほしいです。
山中拓也君(電子機械工学科2年)
北信越大会では5位に入賞し、全国大会出場権を獲得しました。これに驕らず全国大会に向けてがんばっていきたいです。
1回戦
1回戦は、正面からぶつかる作戦をとりました。2本連続で、私のロボットが相手ロボットを押し出して勝利しました。幸先のいいスタートでした。
2回戦
1本目は、相手マシンに押し出されて1本取られました。2本目は、私が押し返して1本取り返しました。勝敗を決める3本目。試合中にロボット背面の板が取れるというアクシデントがありました。しかし、相手ロボットが故障しため、勝利できました。
3回戦
何度も全国大会に出場しているロボットが相手でした。私のマシンが土俵の白線を感知せず、土俵外に飛び出して1本取られました。その後は、相手の斜めからぶつかる作戦で行きました。2本目は、うまく角に入らず正面から押し出しました。それから、3本目は狙い通り角に入って、押し出すことができました。
4回戦
平窪さんの「大電通平侍」と当たってしまいました。私は、前試合のように角取りの作戦で行きましたが、押し出されて1本先取されてしまいました。2本目は、同じ作戦で取り返しました。勝負を決める3本目。これも同じ作戦を取ったら、逆に押し返されて2対1で私が負けてしまいました。
5位決定戦
北信越大会では、全国大会出場権が6台のロボットに与えられるため、ここで勝てば全国大会に進めます。対戦相手は、強豪の四日市中央工でした。
1本目は、正面からの作戦でしたが、相手の方が早かったため押し出されてしましました。2本目は、両者共にフライングを取られました。しかし、私が正面から押し返すことができたので私の1本と主審が判定しました。
そして、3本目。私が正面のから当たっていく作戦で、相手を押し出すことができ2本目を取りました。
大会を振り返って
今大会の勝因は、3つあります。
- 武器の調子が良かったためうまく押し出せた
- 角取りの際、うまく自分のマシンが中心より内側に接触することができ、うまく角を取れたから
- 相手マシンと相性が良かった
全国大会までには、武器のチップを製作し攻撃力をあげること。ロボット相撲では、立ち合いの一瞬で勝負が決まることが多いので、タイミングよく起動スイッチを押せるよう自分自身の練習を積むこと。そして、なによりプログラムを調整し、確実に動いて勝てるロボットに仕上げたいです。