第11回レスキューロボットコンテスト 救命ゴリラ!S

メンバー紹介

キャプテン
浦野蒼士君(電子機械工学科3年)
オペレーター
1号機:中井智貴君(電子機械工学科2年)
2号機:芝和亮君(電子機械工学科3年)
3号機:中森智史君(電子機械工学科2年)
4号機:上殿泰生君(電子機械工学科2年)
スピーカ
田中 亮君(電子機械工学科1年)
プレゼンテーション資料
↑プレゼンテーションデータをpdfファイルに変換したもの
レスコンボード管理者
小國翔平君(電子機械工学科3年)
コントロール間通信
浦野蒼士君(電子機械工学科3年)
ヘリテレ
浦野蒼士君(電子機械工学科3年)
ヘルパー
田中 亮君(電子機械工学科1年)

レスキューコンセプト

救命ゴリラ!Sチームは、コンビネーション救助によるレスキュー活動を目指しました。

万能型ロボットは、どうしても各タスクに必要な能力が劣るのではないか? と考えたからです。それぞれの作業に特化したロボットを制作し、ロボット同士が特性を活かして連携しながら救助活動をするほうが効率がよいという推論を、コンテストを通じて実証したいと思いました。

4台のロボットは、ガレキ除去・探査・救助・搬送とそれぞれに特化しました。オペレーターが自分の役割に専念できるため、タスクへの信頼性が高まり、結果として確実な救助活動ができるようになります。

出場ロボット

1号機:アーンヴァル

フィールド内を探索し、情報収集をするロボットです。小さな車体でスピードがあります。

車輪毎に独立したサスペンションを搭載しているため、バンプエリアや連結ガレキなどの不整地走行も安定しています。

3軸アームは、ガレキの向きにあわせて手首角度を調節し、つかみ持ち上げます。先端にはマイクが搭載されており、ダミヤンの音声情報も収集します。

2号機:ツヴァイアル

家ガレキ内のダミヤン救助を想定したロボットです。1号機の情報を参照し、ダミヤン救助に向かいます。

ロボットは門型構造をしており、家ガレキに覆いかぶさって救助アームでダミヤンを救いあげます。アームのツメはバネ機構でダミヤンに必要以上の力をかけないように工夫しました。

3号機:ドライアル

万能アームで路上のガレキを除去し、2号機が移動するためのルートを確保します。

後輪のステアリングで小回りの利いた方向転換が可能です。また、八輪全てにサスペンションを搭載し、バンプエリアやガレキの上も振動を制御したまま走行します。

4号機:ファイル

搬送を重視したロボットです。車体の上にあるベッドで、2号機が家ガレキから救助したダミヤンを受け取ります。

また、移動時は車体を小さくするために折りたたんいる前方のベッドを展開し、アームでダミヤンを救助することもできます。2体のダミヤンを同時に搬送できます。

ダミヤン固体識別対策

ダミヤンが発する電子音を音声処理で識別しました。

ファイナルミッション

ファーストミッションでポイント順位3位だったので、ファイナルミッションは第3競技にMCTチームと出場しました。

スピードが速い1号機がフィールド内をくまなく探索し、ヘリテレだけでは得られない詳細な情報をコントロールルームに送ります。1号機は、探索しつつ紫ダミヤンの周囲にあるガレキを除去しました。

つづく3号機は、経路の邪魔になるガレキを取り除き家ガレキにへ向かいました。3号機が家ガレキの中にある棒ガレキを除去した時に、タイミングよく2号機が到着。何度も練習を繰り返したように、家ガレキの上に2号機が覆いかぶさり、真上から緑ダミヤンをアームで救出。3号機にドッキングしてベッドへ移しました。

どのルートを辿っても、バンププレートがありました。しかし、サスペンション搭載した3号機はダミヤンへの衝撃を可能な限り小さくし、フィジカルポイントの減点を抑えることに成功しました。

その間に1号機と交代した4号機が、可動式ベッドを展開し引き込みアームを使って紫ダミヤンの救助に成功。いち早く、ロボットベースに搬送しました。

3体目の2階にいるオレンジダミヤンの周辺は、ガレキが多くヘリテレからではダミヤンの様子がわからない状況でした。事前にMCTチームと打ち合わせどおり、ヘリテレから見える情報を交換していたため、1号機が正確に位置を把握して、いち早くオレンジダミヤンのもとへいき、救助活動を開始できました。

1号機がガレキを除去すると、合流した4号機が確実にダミヤンを救出し、ロボットベースまで搬送しました。

オレンジダミヤンが無事にロボットベースに到着し、レスキュー活動を終了した瞬間、メンバーみんなが手をたたいて喜びあいました。

表彰

  • ベストチームワーク賞

メンバーの感想

浦野蒼士君(電子機械工学科3年):Sチームキャプテン

大会を終えて、今までのことを思い返すと本当にいろいろなことがありました。レスコン委員会に提出する資料が完成せずに徹夜したことや、予選間際になってもロボットが完成せずに、気を揉んだ事が今走馬燈のように私の脳裏をかけています。

大会の結果は決して良いものではありませんでした。「もっとああすればよかった」「あの時ああしておけばよかった」……これはメンバーの多くが思っていることでしょう。でも、私は存外にも清々しい気持ちです。なぜなら皆、結果を反省こそすれ後悔はしていないからです。私たちは精一杯頑張った、と少しは思えるでしょう。

ファイナルミッションの競技が始まる直前、Sチームは円陣を組み、小さな声で気合を入れました。小さい声だったのは、競技フィールドの近くだったので大きな声を出すと競技中の他のチームに迷惑がかかるからです。

その時、私は「皆、半ば私が強引に進めた2チーム化でもついて来てくれて本当にありがとう、うれしかったよ」、と言いました。ここに来るまでの、さまざまなでき事を思い出したからです。

一年前、今後どのように活動していくかミーティングをしました。メンバーの多くは、2チームで出場することを考えていましたが、先輩達のアドバイスもあり、ロボットのアイデアや人員不足の関係で第11回大会では2チームは無理、と私が判断をしました。

その後、数日間、罪悪感と後悔からくる重苦しい気持ちは、私のレスコンに対する意気込みみたいな物を奪うのには十分すぎるものでした。

1チーム体制で計画を練り直す中で、私は「1チームで出場したら、大会に参加したくてもできないメンバーができてしまう」と思いました。それがどうしても我慢できなくて、私は後輩を数人連れ、レスキューロボットプロジェクトを指導してくださる入部先生の研究室に行って、直談判をしました。後で、中森君が、あの時、私が何か必死で叫ぶように訴えていたと教えてくれました。

あの時、私はその場にいなかった鹿島君と中井君、当時2回生のメンバー達に電話を掛けました。「1チームで出場するって話だったけど、やっぱ2チームで行く、だから俺について来てほしい」。私がそう言うと、「……着いていきますよ」と皆は言ってくれました。私がどのような思いで結論を変えたかも聞かないで、呆れもせずに。

その時、私は本当にうれしくて涙が出そうでした。いや、ちょっと出てました。そして、こんなに優しい仲間たちが、大会では補欠になるかもしれないなんて可哀そう、と心の底から思いました。私が2チーム化をゴリ押した理由は、1チームの出場ではメンバーが微妙に余って補欠ができるかもしれないと思ったからです。

私自身、そんな風に思うことができて本当に良かったと思います。補欠ができるとその人はつまらないでしょうからね。

結果的には先輩たちの意見も覆され、救命ゴリラ!BとSの2チーム体制で再出発を迎えました。このことは、1年前のミーティングには参加していない現在の1年生に伝えたいです。救命ゴリラ!の2チームはこんな風に生まれたんだよ、って。

だから私は幸せです、確かに紆余曲折あった割に大会の結果は良いとは言い切れません。2チーム出場して賞が1個なんて、去年の華々しい結果と比べると残念です。

しかし、皆で大会に参加できたから私は幸せです。こんな素晴らしい家族のような仲間に恵まれて、私は本当に幸せ者だと思います。そしてこれからもこの仲間との歩みは止まらないでしょう。来年の今、私がここにいるのかはわかりません。今、私は3年生。もう進路を決めないといけない時期だからです。でももう少しだけ、みんなの側にいます。

中井智貴君(電子機械工学科2年):1号機オペレータ

第11回レスキューロボットコンテスト本選の結果は、Sチームは総合成績3位で、ベストチームワーク賞を頂きました。結果を見ると、しっかり評価されたことは嬉しく「よかった!」と思いますが、満足はしていません。

予選前日のリハーサルでは、デモ競技でかなりミスをしてしまいました。1回目のデモ競技では1号機が2本のイエローフラグを貰ってしまい退場となりました。2回目のデモ競技では、動作不良とバッテリー切れが1号機で相次いで起こり急に調子が狂ってしまいました。

コントロールルームでもメンバー全員が焦ってしまい、いつも練習でしている動きが全くできず自信をなくしてしまいました。リハーサル終了後は、チーム内の空気がとても沈んでしまいました。

でも解散前のミーティングで、入部先生から的確なアドバイスを頂けました。そのアドバイスをしっかりと受け止めて、ファーストミッションにつなげようと気持ちを切り替えることがその場ではできましたが、自分は家に帰るまでにまた沈んでしまっていました。

ファーストミッションでミスをしてしまうイメージしかできなくなっている自分にイライラし、また大会でマシンを動かすのが怖くなってしまい情緒不安定な心境でした。こんな風に沈んでいるだけでは、前には進めないので何も考えないように家で過ごしました。

そのおかげで翌日、予選の朝には気持ちも回復できました。

ファーストミッションは230ポイントで3位通過でした。決して、いつもの練習通りの動きができたわけではありません。レスキュー活動開始直後に1号機が暴走してしまい、どうなったのかわからない状況になってしまいました。自分自身、かなり焦っていました。

幸い立て直すことはできたのですが、安定した動作を続けられるかどうかわからない状況だったので不安要素がかなりありました。前日のデモ競技に引き続きのトラブルだったので、かなり焦ってしまいました。

またダミヤン識別のタイミングを逃してしまい3体目のダミヤンの個体識別ポイントを得ることができませんでした。そんな中で3体救助できたのは、チームワークの良さがあったからだと思います。

しかし、ファーストミッション終了後にはチーム全体でかなりのもやもやが残りました。

「もっと動けたのではないか?」「テキパキ行動すればもっとポイントがとれたのではないか?」原因はいろいろ考えられます。いくつもの課題が残ってしまったファーストミッションでした。

ファーストミッション全競技が終了し、ファイナルミッション進出が決まったときはホッとしました。ファイナルではもっときびきび動き3体助けようとチームで決まりました。

その後の「がんばろう日本! レスコンからのメッセージ」と題して行われた歴代の実行委員長の話をきいて、レスコンに関わってるということがとても社会に関わっていると気づきました。コンテストだからという気持ちではいけない、と改めて気づかされました。

その後にはロボットミーティングが行われました。内容は1分30秒のチームアピールと自由交流会です。いろいろ気になるチームはありましたが、自分は、六甲おろしチームとMS-Rチームに話を伺うことにしました。

六甲おろしチームには、ロボットを製作する際に気をつけるポイント、MS-Rチームには、操作機について伺いました。深い話ができたので、とてもいいロボットミーティングだったと思います。

最終日の午前中は、セカンドミッションが行われました。このセカンドミッションの成績によって、ファイナルミッションで一緒にレスキュー活動を行うチームが決まるため、チームごとのロボットの特徴をしっかりつかみたいと思いながら見ていました。

自分たちとレスキュー活動を行うチームはMCTチームと決まりました。両チームがスムースにレスキュー活動を行えるように、ファイナルミッションのオープニング終了後、MCTチームさんとミーティングをしました。この合同ミーティングでは、3体目のダミヤンの位置の把握を伝え合うこととロボットの特徴を話し合いました。

そうして挑んだファイナルミッションのポイントは、ファーストミッションを上回る262点という良い結果を出すせました。練習以上の力がでたと思います。とにかく3体のダミヤンを全救助できたことがとても嬉しかったです。そして、イエローフラグをもらうことなくミッションを終了することができたのもよかったです。

ファイナルミッションでは、チームが一丸となりしっかりと動けたと思います。ファーストミッションでこの動きができていればとも思いましたが、ファイナルでできたことがよかったの感じました。

しかし、その後のミッションで六甲おろしチームが315点、大工大エンジュニアチームが269点と、とてもハイレベルなレスキュー活動を行い、さすがだなと思いました。

大会を振り返ると、救命ゴリラ!Sチームの取り組みは甘かったのではないのか? と自分自身は思いました。

最後にその甘さが出てしまい、高得点につながらなかったことがとても残念です。しかし、予選からファースト、ファイナルと全てのダミヤンを救助できたことはよかったと思います。来年は、また新たなアイディアでレスキュー工学大賞をもらえるように努力したいです。

最後にレスコンプロジェクトのリーダの浦野さん、お疲れさまでした。いろいろ辛かったこともありましたが、リーダについていってよかったと思っています。本当にありがとうございました。

芝 和亮君(電子機械工学科3年):2号機オペレータ

予選後、駆動部のモーター取り付け位置の変更し、本選で必要となるカメラの搭載を行いました。ハードの準備が整った後は、練習あるのみです。各ロボット毎にタスク練習、そしてチーム練習をやりました。

練習を繰り返すうちに、2号機は連結ガレキの置き場所によって2階に行けなかったり、通れない路面があることが判明しました。それについてはハード的な打開策がなかったので、練習でガレキをいろんなパターンで配置し、チーム単位で作戦を練ることにしました。何度も練習し、さまざまなレスキュー活動方針を考えました。

大会前日にフィールドでテストランが2回できるので、本番形式で想定どおりに活動できるかどうかの試しました。しかし、予選1位と2位が参加できるデモ競技では、チームの弱点をさらす結果に終わってしまいました。

2日目のファーストミッションは、デモ競技の二の舞は避けたかったので、作戦会議の時間に念入に作戦を練りいざレスキュー活動開始。スピードのある中井君のS1号機を先頭に、続いて中森君のS3号機、上殿君のS4号機、最後に僕が操縦するS2号機の順でゲートからスターとしました。

S4号機の救助側にいる1体目のダミヤンが、搬送まで時間が他よりかかってしまいました。これは、後で聞いた話によると、S1号機がS4号機の進路を少し妨害してしまったためだそうです。

これは、ヘリテレを家ガレキ側に使い過ぎていたことも影響しています。S2号機が担当した家ガレキ側は、屋根がななめに入ってたのでS2号機のハンドがうまくダミヤンまで届かない状況だったため、12分の活動時間中、半分以上ヘリテレを家側に向けていました。

何とか1号機と3号機が@@@に支援してもらったので、イエローカードを1枚取られましたがダミヤン救助の体制になったので、2号機がダミヤンを救助し、いつも通り3号機とドッキングし搬送までごぎつけました。

4号機は1体のダミヤンを搬送後、ほぼ1台で3体目のダミヤンの救助にも成功しました。しかし、カメラ支援が途中なかったので、ここでもイエローカードを1枚取られてしまいました。3体目のダミヤンを救助した時、残り時間は1分40秒でした。本当にぎりぎりでした。ファーストミッションのポイントは3位で、ファイナルミッション出場権を得ました。

ファイナル競技では、フィールドの相手側にもダミヤンがおり、路上の連結ガレキも増えていました。作戦会議の時、こちらから見えない3体目のダミヤンの場所を、一緒にレスキュー活動をするSHIRASAGIチームから教えてもらい、作戦を考えました。

そして、レスキュー活動がスタート。ロボットの出動順は、ファーストミッションと同じでした。1号機が紫ダミヤンの周りにあるガレキを取り除きに行き、3号機が経路の邪魔になるガレキを取り除いた後、家ガレキに行きました。

4号機は、ガレキが除去を完了した1号機と交代して紫ダミヤンの救助にあたり、2号機が家ガレキ内の緑ダミヤン救出にあたりました。

自分が操縦する2号機は、家ガレキに行く途中で連結ガレキに接触し、真っ直ぐに進めなくなってしまいました。ガレキを避けよう操縦していて、私有地に踏み込みそうになりながら頑張って抜けました。あやうくイエローフラッグをもらう場面でしたが、うまくクリアできました。

家ガレキへたどり着くためには、バンプ帯で旋回する必要がありました。旋回中、TPIP2とバッテリーの接続部分に、バンプ帯の凹凸が衝撃を与えたのか2号機が一時的に止まってしまいました。テストランでも同じ事が起こっていたので焦りましたが、程なく通信が復活し動き始めたました。

バンプを抜けて、歩道橋の下をくぐった時にちょうど3号機が上手い具合いに、家ガレキの中にある棒ガレキを除いてくれました。そしていつもの練習通り家ガレキに跨りダミヤン釣り上げ、3号機とドッキングできました。3号機に緑ダミヤンを移し、搬送してもらいました。

こうして1体目のダミヤンを救助、搬送をおえた1号機と4号機が2階に行き3体目のオレンジダミヤンを救助、搬送してくれました。

オレンジダミヤンを搬送する4号機が、ロボットベースに到着した時、競技時間が3分残っていました。メンバー全員で、喜びました!

自分達の競技が終わって、ファーストミッション1位の大工大エンジュニアチームと2位の六甲おろしチームが、最後のファイナルミッションを行いました。両チームのレスキュー活動を、みんなで見ました。両チームとも素晴らしい活動内容で、「こりゃ勝てねぇな〜」と思いました。

総合結果は救命ゴリラ!Sチームは、ポイントで3位。2号機と3号機、1号機と4号機のコンビネーション救助が評価されて、ベストチームワーク賞を受賞しました。素直に嬉しかったです。

今回の大会後、反省会で分かった事があります。それは、自分の能力を知っていたのに、ハード面でやりたい事にこだわり我を通し過ぎてしまったことです。そしてチーム内の会議が不足していたこと、何の賞を狙うかの吟味が不十分だったことが、結果に大きく響きました。

大会を見据えて、スケジュール管理をし、ロボット制作をすることが大事だと痛感しました。

中森智史君(電子機械工学科2年):3号機オペレータ

今年は、大阪電気通信大学自由工房から救命ゴリラ!としてSチーム、Bチームの2チームが参加しました。私は、Sチームに所属し、3号機のロボットを制作して出場しました。結果は、ベストチームワーク賞を取り、まずまずの成績を納めることができました。

特にファイナルミッションに関しては、メンバー全員がベストを尽くせたと私は思っています。しかし、昨年の今頃、私達が掲げていた目標は”レスキュー工学大賞”でした。

今年は、私が考えるに、救命ゴリラ!だけでなく自由工房としても節目の年だと思います。昨年の夏から、今年もまだまだ様々なことが変わりつつあります。しかしながら、こういったことやベストチームワーク賞しか受賞できなかったことも考えると、多くの大きな課題が浮かび上がったのではないかと思います。

まずはロボットのアイデアに力が及ばなかったかなと思います。アイデアは悪くなかったのですが、書類審査の結果を考えると、あまりよくなかった気がします。特にレスキューコンセプトに関しては、より実際のレスキュー活動に絡められる内容の方がいいと個人的に思います。

もう1つは抽象的な言い回しになってしまいますが、人間的な面でも改善すべき点が出てきたのではないでしょうか。この点については自分自身も、自由工房に来ない日があったり、その他様々な猛省すべき点があったとと常々思っていました。やはり、自分自身かなり悩み、どうにかしようとしていた部分でもありました。結果的にそれが改善できなかったというのが大きな反省点です。

また、チーム内の雰囲気にも少し気になる点がありました。ロボット製作の面ではありませんが、チームで活動する以上、自由工房内の設備の使用方法や仲間の協力体制も重要な点だと思います。来年はこれらの反省が生かされたチームをつくり、申請書類やロボット制作ができればいいと思います。

特に今回大会を見ていて思ったのは、レスキューロボットコンテストが年々レベルが上がっていることです。たとえば今年の他チームのロボットは、より多彩なアイデアや技術を持っていると感じました。昔に比べると、各チームが実績を伴い始めたからだと思います。

競技成績は、もちろん重要です。しかしながら、工学的な技術やロボットのアイデアについてもよくなければ、評価されない。これからはそう言い切っても過言ではないと思います。

しかし、これらのことを今年経験できたということはよかったと思います。今年は2チーム制について様々な経緯があり、なかなか思い通りにいかなかったり、新しい取り組みもしたりしました。確かに今年は、成功とも失敗ともいえる年です。ですがその両方とも、自分達が主体となってやってこれたことがよかったです。

この経験を活かして、自分自身より良い経験や、技能の習得を続けていきたいと思います。そして、自由工房のレスコンプロジェクトである救命ゴリラ!にも、貢献できるよう頑張りたいと思います。

上殿泰生君(電子機械工学科2年):4号機オペレータ

今回は予選競技会と違い、ロボットの改良、操縦練習に1か月余裕がありました。私達Sチームは、予選や日々の練習からでた問題点を改良し、練習で補ってきました。

しかし、本選に向けた不安はありました。Sチームのレスキュー活動コンセプト上「ロボットが1体でも欠けたら、全ダミヤン救助が成立しない」という問題が立ちはだかってました。

マシンの故障や操縦者不在など様々な理由で、練習回数がBチームより劣っており、練習できないまま工房を退出する日もありました。しかし、大会に近づくにつれてそのようなことは少なくなり、練習を重ねていくごとに不安は薄れていきました。

そして、本選前日のテストラン。いつも通りやればいいんだと心に決めて1日目のデモ競技に大工大エンジュニアチームと参加しました。しかし、このデモ競技で私達Sチームの結果は散々でした。

ガレキ除去を満足にできてない状態で1号機がレッドフラグを受け退場。家ガレキに苦戦する2号機、さらに他サイドの大工大エンジュニアチームが着々とした救助活動をしていることを耳にして、チームの皆が浮足立っていました。

私の4号機がやっとダミヤンを救助した時は、もう競技終了間近でした。2回目もあまり結果は変わらず、私達の心情はボロボロでした。帰り道、全員が重い気持ちで帰路につきました。

いよいよ迎えた本選。「前日の反省を今日に活かそう」という意気込みの元、ファーストミッションを開始しました。

正直に言うと、操縦プログラムの不具合がありヒヤッとした場面もありましたが、無事に3体のダミヤンを救助して競技を終えました。しかし、競技を終えてから冷静になって考えてみると、ダミヤンの識別処理等でもたついていたことを含めて、まだテンパっているのだなと自覚しました。

ファーストミッションの全競技終了後は、控え室で交流会が行われました。ここでは、参加チームの様々なロボットや面白い機構を見れて楽しかったです。

いよいよ最終日。Sチーム、Bチームともにファイナル進出を決めていたので、午前中はゆっくりとした気分で午後のファイナルミッションに備えることができました。

ファイナルミッション第1競技のBチームとSHRASAGIチームは、審判団のミスによって競技が一時止まるという珍しい事態が起こりました。その後、競技は仕切り直しで再開されましたが、Bチームは作戦ミスで3体救助ができませんでした。見ていてとても悔しかったです。

第3競技に出場した我々Sチームは、皆リラックスして競技に臨みました。結果は練習通りに救助活動が進み、イエローフラグを一本も出さず、3体のダミヤン救助を完了しました。この日、始めてのミッションコンプリート達成チームになったので、とても嬉しくて皆で喜びました。

そのあとのファイナルミッション最終競技で、大工大エンジュニアチームと六甲おろしチームの2チームがSチームよりも早く3体のダミヤンを救助するのを見て「凄い」と思うと同時に、「来年こそは、必ずあのレベルのものを作ってやる」と意気込みました。

表彰式では、私達Sチームは「ベストコンビネーション賞」を受賞しました。Sチームは4体のロボットによる戦略に基づいたコンビネーション救助をコンセプトにしていたので、その点が評価されたことがとてもうれしかったです。

今年はレスキュー工学大賞やベストロボット賞、ベストパフォーマンス賞等は取れませんでしたが、来年はチームと気持ちを新たにして第12回レスキューロボットコンテストに臨もうと思います。

小國翔平君(電子機械工学科3年):電波管理

今年はベストチームワーク賞を受賞できて、とれてよかったです。自分達が目指した連携救助がうまくいき、評価されたのがうれしいです。

ダミヤンの個体識別については、あれもつくるこれもつくると欲張ってしまい、大会までにまとめることができませんでした。結局、うまい具合に識別できませんでした。競技の動きを理解して、識別結果を搬送終了時までに打ち込むまでの時間も考えておかなかったのが失敗だったと思います。今後は、処理用のパソコンについても検討していきたいと思います。

ロボット操縦用のプログラムは、S4号機と64bitのパソコンで動かなかった原因が分かってないので全てのマシンで動かす事ができませんでした。それが悔しいです。

予選当日は、慌てすぎて個体識別の送信を失敗し、2日目のファイナルミッションでも慌てたつもりはないのに時間が足りず正確な個体識別できませんでした。

第11回大会の反省点は、競技の流れについてあまり考えずレスキュー活動を行ってしまったことです。ロボット製作時やレスキュー活動コンセプトの決定は、競技について考えながら詰めていかなければいけないと思いました。

田中 亮君(電子機械工学科1年):スピーカ、ヘルパー

本選では、スピーカとヘルパーとして参加しました。プレゼンでは、減点される失敗がなかったので、よかったと思います。

デモの時点が一番緊張していて、ファーストミッション、ファイナルミッションとだんだん慣れていきました。デモには、予選成績が2位だったおかげで出場できました。デモで、大体の流れと雰囲気がわかったのがよかったです。デモができていなかったら、ファーストミッションでどうなっていたかわからなかったと思います。

今年は、1年目だったのでロボット製作のメインは先輩達が行いました。来年は、自分で作ったロボットで出場したいと思います。今年の経験を活かして、ベストプレゼンテーション賞も取りたいと思います。

スナップ