電通大杯 ヒト型レスキューロボットコンテスト 2011 出場記

11月6日(日)、大阪電気通信大学のテクノフェアの一環として、駅前キャンパスにおいて「電通大杯 ヒト型レスキューロボットコンテスト 2011」が開催されました。荒柴祥太君(情報工学科3年)が、3位に入賞しました。

今年は、外部からの参加者を含めて13体のロボットが出場しました。自由工房からは、ヒト型ロボットプロジェクトとレスコンプロジェクトから各2名がエントリーしました。荒柴祥太君(情報工学科3年)がロボットに搭載したカメラによる映像でロボットを操縦し、その高い技術力で観客を驚かせました。

公式サイト

マスコミ掲載

マイコミジャーナル:未来型レスコン「電通大杯 ヒト型レスキューロボットコンテスト2011」開催

参加者大会感想

荒柴祥太君(情報工学科3年)

3年になり、学業や就活の準備で忙しさが増す中での大会参加でした、おそらく過去今までで一番忙しい時期だったと思います。

今回、ロボットの変更点は、つかめるハンドユニットと、体の各所につけたカメラです。

自分は初回の大会以降、ヒト型レスコンにおいてこだわっていることがあります。それは人形(要救助者を模した人形)の姿勢です。

初回の大会では、腕を大きく横に広げたポーズの人形を救助しました。現在でも多くの方が人形にこのポーズをとらせています。

しかし、実際の救助の現場では、要救助者がこのようにポーズをとることはほぼないと思います。大抵の場合は地面に倒れこんでいるでしょう。

なのでルール上では得点に関係ありませんが、手を広げたポーズの人形ではなく、地面に倒れこんでいる人形を救助するという事に自分はこだわっています。

そして、今回もその倒れた要救助者をいかに丁寧に優しく、かつ迅速確実に救助することができるのかを考えた結果、つかめるハンドユニットの開発につながりました。

このハンドにより、救助だけでなく、がれきの撤去の際にもマスタースレーブコントロール(コントローラのレバーを倒す量の違いで、ロボットの腕を自由に動かす機能)を使用し、散乱している瓦礫に臨機応変に対応できるようになりました。

ロボット搭載のカメラの使用については、今回はハンドユニットの制作に時間がかかり、練習に十分に時間を割くことができなかったので、予選は確実に救助することを考え、目視での救助を行いました。

本選では、新しい救助のスタイルを見せるということに重点をおき、カメラからモニターに送られてくる映像情報のみでの救助を行いました。残念ながら制限時間内にミッションを完了できませんでしたが、エキシビションとして競技を続行し、救助を成功できました。

今回のヒト型レスコンではカメラ搭載のロボットが自分以外にももう1体ありました。今川さん(Vstone)のANDROVIEというロボットです。

このロボットは、ロボットからのカメラ映像をヘッドマウントディスプレイで見ながら操縦するという、自分が今後行いたいと煮詰めていた発想そのものでした。

歩行などのモーションもとても安定しており、救助活動中はずっと目が離せませんでした。

まだまだカメラの搭載のロボットは少ないですが、今川さんには、ANDROVIEのカメラや通信、制御の方法などを教えていただきました。バトルの大会とは違った新しい情報が得られ、とても充実した経験になりました。

まだ、競技ルールとしてはカメラ付きである必要はありませんが、カメラ付きのロボットが2位3位に入賞したことで、今後の方向性としてカメラ付きのロボットの進化が間違いないと確信しました。

齋藤佑一君(大学院電子通信工学専攻1年)

今回、ヒト型レスキューロボットコンテスト2011に参加し、人型ロボットKHR-3HVのモーション開発を担当しました。

モーション作りでは、今までヒト型レスキューロボットコンテストのロボット達の救助モーションを見てきた中で、自分なりに要救助者に対して確実かつやさしい救助モーションは、どんな動作か考えそれを実装することを目的として大会に挑みました。

その中で、前任者の時におきたサーボの発火問題の対策や、道具を使用した瓦礫くぐりの実装といった、今までのトラブルに対する対策や行ったことのなかったことを実装することができました。

今回のヒト型レスキューロボットコンテスト2011への取り組みによって、次のヒト型レスキューロボットコンテストに参加するための基礎作りが大きく進歩したと思います。この基礎を後輩に引き継ぎしやすい状態にし次こそ「救命ゴリラ!」らしい救助活動を大会で実現してほしいです。

中藤陽介君(メディアコンピューターシステム学科1年)

まず、今回レスキューロボットコンテスト参加し、質の高いロボットと作りこんだモーションを見ることができて本当によかったと思います。

自分自身の結果は途中失格になりましたが、来年はそんなことにはならないよう今年以上に予定のたて方やロボットの改良等様々な面におきまして改善したいとおもいます。

今年は初参戦ということで、本当に良い意味でも悪い意味でも様々なものを吸収・勉強させていただきました。そしてレスキューロボットコンテストが甘くないということ、予定通りに作業はなかなか進まないということもふまえ今後に生かして行きたいと思います。

本当に今回は事前準備の段階、モーション作成の段階で作業が大幅に遅れてしまい、てんやわんやの状況でなんとか匍匐前進のモーションは完成していたのですが、その後の起き上がりのモーションの調整がうまくいかず、自分自身の実力・持っている力を思い知らされました。

前々日に足首ロールのサーボを焼くというアクシデントもありましたが、来年に向けての目標や課題を見つけることもでき結果的に良かったと思います。

来年のレスキューロボットコンテストに向けての目標は、第1に1週間前までにはモーションを作り上げるところまでしてしまい、残り時間で操縦訓練等をみっちりとできるようにすること。第2にモーション作りの精度やロボット本体の性能の向上。第3にサーボモーターを焼かないモーションの作成(一番重要)。です。

鮫島智樹君(電子機械工学科1年)

ヒト型レスコンの準備のために僕がした事は、主にサーボチェックや、ゼロ点調節、ロボットの組み立て、メンテナンスでした。午前中の練習までは、しっかり動いていまし。

しかし結局、本番でロボットは動きませんでしたので、このような結果になってしまった原因を考えてみました。

まず1つめは、ロボットを1体しか完成させていなかったことです。

ロボットの故障の原因は、変換機にあるらしいのですが、2つあるうちの1つはすでに壊れていて、もう1つは、本番中に壊れました。もし、ロボットを2体完成していたら、その故障に早く気づき本番中に壊れることを回避できたかもしれません。1体のロボットを使いまわしをしていたので、負担がかかったとも考えられます。

2つめは、時間がなかったことです。

ヒト型レスコンの準備をするのが、少し遅かったし、ヒト型ロボットについては何も知らなくて、時間に余裕がなかったので焦ってしまい、少し準備不足だったのがいけなかったと思います。

今回は残念な結果に終わってしまいましたが、来年もしするなら、自分でモーションを作ってみたいと思います。

動画

「大電通コマドリ」齋藤佑一君(電子工学科修了生)※練習風景

スナップ