inrevium杯「第12回レスキューロボットコンテスト」競技会本選

2012年8月11〜12日、「inrevium杯 第12回レスキューロボットコンテスト」競技会本選が実施されました。自由工房からは、「救命ゴリラ!!」が出場しました。チーム名の「救命ゴリラ!!」は、スクールバスのゴリラのイラストが由来です。昨年度より進化・発展の決意をこめて「!」をダブルにしました。

初日のファーストミッションは、3体のダミヤンの救助に成功し、258ポイントで3位。ファイナルミッションへの進出を決めました。しかし、ガレキが増えダミヤンの配置も難しくなったファイナルミッションは、困難を強いられ救助したダミヤンを搬送することが叶いませんでした。

競技内容には心残りもありますが、1年間かけて取り組んできたCACS&CIMIのシステムが評価され、「ベストテレオペレーション賞(レスキューロボットコンテストサンリツオートメイション賞)」を受賞できました。

大会結果

ファーストミッション
258ポイント(ファースト3位)
ファイナルミッション
70ポイント
総合ポイント
658ポイント(3位)


表彰
ベストテレオペレーション賞(レスキューロボットコンテストサンリツオートメイション賞)

公式サイト

メンバー紹介

キャプテン
上殿泰生君(機械工学科3年)
オペレータ
1号機:中井智貴君(電子機械工学科3年)
2号機:鹿島健吾君(電子機械工学科3年)
3号機:田中 亮君(電子機械工学科2年)
4号機:目黒隼人君(機械工学科3年)
スピーカー
近藤由規君(電子機械工学科1年)
プレゼンテーション資料
※プレゼンテーションデータをPDF変換したものです
ダミヤン個体識別担当
中村祐一君(電子機械工学科3年)
コントロール間通信
中森智史君(電子機械工学科2年)
ヘリテレ
上殿泰生君(機械工学科3年)
TPIPボード管理者
平戸裕司君(電子機械工学科1年)
ヘルパー
鮫島智樹君(電子機械工学科2年)
競技記録担当
鼓 悠介君(環境技術学科1年)
中村 介君(機械工学科2年)
奥田友彦君(機械工学科3年)

レスキューコンセプト

我々は、昨年度の第11回レスコンにコンセプトの違う2チームで出場し、よりよい救助とはなにか? を模索しました。その結果を踏まえ、今年は「特化型ロボットと万能型ロボットが共同作業による救助」をコンセプトとしました。

また、刻々と状況が変化する災害現場において、要救助者を的確・迅速に救助するために、ロボットの装備をユニット化を検討しました。装備をユニット化することで、メンテナンスの向上も見込めます。この装備互換システムを「CACS(Changeble Adapting Connector System)」と名付けました。

今年は、電源・TPIP・制御回路で構成されるコアブロックをユニット化し、全てのマシンに搭載しました。1号機「KIZUNA」は着脱可能なハンドで、ガレキ除去と搬送機構の装備変更が可能。来年以降、ユニット機構を増やしていく予定です。

CACS&CIMIに関しては、別途開発レポートを参照してください。
第12回レスコン用システム開発記

出場ロボット

1号機:KIZUNA

装備変更可能機体で、人間の腕のような動きを実現する5軸アームの救助機構(写真左)と、搬送機構(写真右)で状況に応じたレスキュー活動を実現します。小型で俊敏に動き回るため、競技ではフィールド内のガレキ除去に活躍しました。

2号機:IBUKI

路上・連結・倒柱ガレキを除去できる万能ガレキアームを搭載しています。本体内に、子機型アームを内蔵し、小回りが利く車輪移動の特性を活かして、ダミヤンを救助し車内のベッドに収容します。

搬送ベッドの両側には、柔らかい素材のストレッチャーがありダミヤンを優しく挟み搬送時の振動や衝撃を和らげる工夫をしています。

3号機:DAICHI

主に家ガレキに対応する機体です。上部にあるハンドはトングのような形状で、ガレキを挟み取り除くことに適しています。車体の側面から救助ベッドをせり出し、同時に出てくるガードでダミヤンを保持して救助します。

車体には上下機構が搭載されており、搬送時は車高を上げて路上の障害物を避け、ダミヤンに衝撃を与えずに移動します。

4号機:REIMEI

救助主体の機体。前方に搭載したリフトアップ機構で、路上の倒柱ガレキや連結ガレキを除去します。ダミヤン救助の際は、平行リンクアームでダミヤンを左右から保持して優しくベッドに収納します。

メンバー感想

上殿泰生君(機械工学科3年)

私は今大会を通じて「救命ゴリラ!!」チームのキャプテンを務めました。

リーダー役はこれまであまりやったことがなかったので、当初は自分ができるかどうかとても不安でした。しかし、皆が未熟な自分を支えてくれたのでキャプテンとして頑張っていくことができました。

7月に行われた予選はポイント7位で、ギリギリで本選への進出を決めました。本選では挽回できる結果を出そうとチーム全員で意気込んで臨みました

本選のファーストミッションはダミヤンの頭が路上側にあり、連結ガレキをキチンと処理すればロボットの進行に支障がでないフィールドでした。これは私たちが自由工房のフィールドで練習した通りに行えば3体救助が行える配置でした。

そのため、ファーストミッションは危なげなく3体救助を完了しました。ファーストミッションのポイントで3位でした。

そしてファイナルミッション。同時にミッションを遂行するのは「なだよりあいをこめて」チームでした。お互いに連携し、3体救助を目指しました。

しかし、ダミヤンの頭の向きや連結ガレキの配置に苦しめられて、結局2体の救助はできたものの、搬送は1体もできませんでした。率直にとても悔しかったです。

本選の競技中に、いくつも反省する点があります。3号機の電池不良や、ダミヤン救助後の搬送ルートを考えていなかったりと探せば多々あります。

そうした中でCACSとCIMIでベストテレオペレーション賞が取れたのは本当に僥倖でした。皆が一生懸命頑張った技術が評価されたのが、本当にうれしかったです。

今大会ではロボットの製作が遅れたり、メンバーの体調不良などが重なりチーム全体のスケジュール進捗が遅くなりました。私は大学院に行く予定なのでこれからもレスコンに関わって後輩たちを補助しつつ、自分に余裕があればまた大会に出てみたいと思います。

奥田友彦君(機械工学科3年)

今回は、救命ゴリラ!!の活躍を観客席から記録する役割でした。ファーストミッションは本当に見ていて安心できる動きだと感じました。ダミヤンも3体救助できていましたし、最後は1号機の救助ユニットを披露するパフォーマンスも、余裕を感じられ良かったです。

それに反して、翌日のファイナルミッションは見ていて歯がゆく感じました。観客の視点だからこそ見えるものだと思いますが、4号機の退路がないという光景は見ていて辛いもので、選手の皆には避けて欲しかったです。1号機の動きによっては退路を作ることは可能な状況だったので、とても残念に思いました。

大会後に聞いた話ですが、原因は作戦の詰めの甘さとのことでした。それから、これは救命ゴリラだけに言える話ではないのですが、ガレキの置き方が各ロボットの苦手となる置き方をされていたような印象だったそうです。

ファイナルミッションですから、難易度が上がるのは当然です。しかし、来年もこういったガレキ配置をされる可能性もあると考えると、練習方法の見直しも考える必要があるかもしれません。従来のような各々のロボットの特徴・特技を伸ばすような練習法ではなく、苦手の克服・連携による攻略なども考えながら様々な場面を想定した練習法をする必要があると思いました。来年はより内容の豊富な練習ができればいいなと思いました。

大会の結果ですが、3回生の中村祐一君(電子機械工学科3年)が宣言通り「ベストテレオペレーション賞」を受賞したのは流石だなと思いました。中村君の頑張りのおかげで手に入ったTPIPボードが、来年の救命ゴリラの活躍につながることを願っています。

鹿島健吾君(電子機械工学科3年)

今回の大会で、私は2号機のオペレーターとして参加しました。

私は高校時代を含めると、レスコンは今年で5年目になるのですが、実のところ車体の設計を担ったことはなかったのです。そのため、今年の車体にはすごくてこずりました。知識はあるとはいえ初めてなので、整備のしやすさ、強度、車体重量などそのほかにも色々とお粗末なものになってしまいました。

特に、フラップを開閉させている機構の整備には、一時期まで車体すべてを分解しなければならなくて、上手く動かなかったり試行錯誤の度に分解、組み立てを行っていました。機構の完成が遅かったのもさることながら、この整備の時間が一番時間を食っていたと思います。

また、大会に向けて搬送、といった際にも実は車軸がひん曲がっていることが発覚。この車軸を取り替えるためにも全分解が必要でした。もちろん、そんな時間はなく、ものすごい不安の中大会に参戦と相成りました。大会の空気や結果はほかの人に任せるとして、私の2号機に関して言えば、満足のいく形で動くことができました。

ファイナルミッション前に少し練習で無茶をさせたためか、フラップに不調が見られたものの、始まる前には解消、安定した動きで大会を終えることができました。

設計から考え、整備に時間を食わされ、ギリギリまで不安を見せた2号機ですが、本番では快調な動きを見せてくれました。残念ながらあまり活躍した、とは言えませんが、私にとってはすごく愛着のある車体です。本当に2号機は頑張ってくれたと思います。

基本的には今年でレスコンプロジェクトからは離脱しますので、後輩には整備に四苦八苦していた姿を反面教師として、来年の車体作りへとつなげて欲しいです。

中井智貴君(電子機械工学科3年)

初日のファーストミッションのガレキ、ダミヤンの配置は救命ゴリラ!!にとってはかなりいい位置にあったのではないかと思います。そのおかげもあり、私たちができる最高の救助活動ができたと思います。しかし、1体のダミヤンの個体識別の際にダミヤンのエリアを間違えてしまい個体識別ポイントが加算されないとチームでミスしてしまいました。2位の「からくり忍者チーム」とは1点差だったので悔しかったです。

ファイナルミッションでは、ダミヤンが1体は反対側のサイドの近くにあるため、一緒に競技するチームとかなり協力しなといけない事がわかっていました。昼休みに一緒に救助活動を行う「なだよりあいをこめて」チームと入念に話し合い、各号機の動きやこの場合はどうするなど、お互いのロボットがスムースに救助活動を行うための話し合いました。

いざ競技が始まると、私たちのチームのマシンは1度リスタートをかけてしまう、家のガレキ除去を失敗してしまう、連結ガレキを動かす方向、距離を失敗してしまうなど、ミスがかなり目立ちました。その結果、ダミヤンを1体も救出する事ができずに競技が終わってしまいました。

競技終了後、私自身は放心状態になってしまいチームのみんなが片付けをし始める中1人突っ立ているだけでした。どうすれば良いのか、普段は割とできている事すらできなくなっていました。最高の救助活動ができずに悔しいという気持ちはありましたが、悔しいという気持ちよりも喪失感の方が大きかったです。

私は今年のチームの取り組みは間違っていなかった、操作練習もきちんとできていたと思っています。なぜファイナルミッションで上手くいかなかったのか未だにわかりません。ファーストミッションよりガレキ配置、ダミヤンの配置は難しくなる事も知っていました。一緒に競技するチームとも入念に話し合いました。しかし上手くいかなかった。やるべきことは全部行ったと思います。

実力が足りなかったといえばそうなのかもしれません。これで今年の夏のレスコンは終わってしまい、毎年なら来年に向けていろいろ考える事ができますが、今年はこれから何をすればいいかわからなくなっています。

目標を早くたてて向かわないといけない学年なのですが、今回のレスコンが終わってからは心が空っぽになってしまっていて次の目標に向けての1歩が踏み出せない状態です。悩んでも仕方ないので、今年は実力が足りなかったと思い、来年は今年以上の取り組みをし実力を向上させがんばってほしいと思います。

中村祐一君(電子機械工学科3年)

自由工房での練習は、難しいガレキ配置での救助活動をしているように見られなかったので、本選では大丈夫なのか心配でしたが、ファーストミッションは今までの練習以上に上手くいっていました。

そして、今までの練習の甲斐があり、認識も上手くできました。ソフトウエアのバグや、フリーズ等も全くなく、すべてが上手く行ったと思っていました。そして、ファーストミッション終了。

いざ点数を見ると、2号機の識別がすべて間違っていました。音声点滅パターンとマーカーは絶対に合っていると思っていたのになぜか間違いになっています。おかしいと思い、レスコン委員会に聞いたところ、ダミヤンのいる番地が間違っていました。どうやら、ダミヤンの所在地が違うと、そのダミヤンに対する、すべての識別が間違いになるルールだそうです。番地の再確認をしておけばこの様な事はなかったと思います。惜しいことをしました。

結果は、ファーストミッション3位と、思ってもいなかった好成績でよかったです。

ファイナルミッションは、ファーストミッションと比べ、「桁違い」なガレキ配置の難しさでした。前述通り、練習で難しいガレキ配置での救助活動を行っておらず、さらに、その時の作戦が悪く、2体とも救助はできたのですが、どちらの搬送マシンもガレキに阻まれ搬送完了ができませんでした。結果、救命ゴリラのチームとして、長年の救助活動実績で、もっとも最悪な結果となりました。

しかも、始まっていきなりバッテリーのトラブルにより、1台がリスタート。原因は、バッテリーの管理が行き届いていなかったことによる、トラブルです。見かけ上充電が完了していても、寿命などが原因で上手く充電できていなかったものが使われていたためです。バッテリーについて、後輩指導を怠っていた、私たち先輩の責任だと思います。

識別についてはファーストミッションと同様に上手くできました。多分、救命ゴリラの長年の救助活動で最も安定した好成績だと思います。

CIMIより状況を見ていましたが、各ロボットのサイズとそれに対するロボットのガレキ除去能力のバランスが取れていないように見えました。 そして、3号機が何もせずにボサっと3体目のダミヤンの前に止まっていたのも問題で、それらを統括するリーダーの状況判断ミスも見えました。なにより、ロボットの完成が遅く、去年までの練習量に比べて、半分ぐらいしか練習できなかったのが最大の問題だと思います。

総合結果は、救命ゴリラ!!は総合ポイントに3位となり、去年と同じ結果となりました。

目黒隼人君(機械工学科3年)

予選に引き続き4号機のオペレーターとして出場しました。ファーストミッションでは、操作がうまくいき適切にダミヤンを救出できました。他のオペレーターもうまくいき、258点という高い点数を取り、3位になりました。

ところが、ファイナルミッションでは、まったく様相が違っていました。最初から分かっていたこととはいえ、ガレキの配置がファーストミッションより難しくなっていて、苦しめられました。

全体的にガレキの対処の仕方がまずく、自分も、路上の連結ガレキをどかすかよけるかで判断に迷い、よけたら私有地侵入でイエローフラグを取られてしまいました。そのまま、ガレキをどかさないままダミヤン救助に向かいダミヤンを救助したのも、判断ミスです。救出したダミヤンを搬送しようとしたら、行く手のどこにも連結ガレキがありました。そのまま搬送すると、ダミヤンの足があたる可能性が考えられました。既にイエローフラグをとられているため、もう一度イエローがでると、レッドフラグで退場とを取られると非常にまずいので、やむを得ずそこで待機し、搬送完了ができませんでした。

他のロボットも、ダミヤンの搬送完了ができなかったため、得点は70点でした。

ミッションを完遂できなかった原因は、自分以外にも作戦ミスのだと判断した人が多かったです。実際、作戦タイムでも意思伝達があまりよくなかったように思います。

それでもファーストミッションの得点がよかったため、総合得点で658点で総合3位でした。そして、ベストテレオペレーション賞も受賞できました。レスキュー工学大賞をとったのは総合6位の「なだよりあいをこめて」チームでした。点数が高いチームが必ずしもとれるとは限らないことは知っていましたが、このチームがとったのは予想外でした。それだけ安心感を与える救出活動をしていたということだと思います。

自分の反省としては、メーカー推奨とはいえ、リンクベッドを動かすウォームギアをむき出しにせず覆うべきでした。これを怠った理由は、操縦練習を優先したからです。けれど、やろうと思えば、なんとかできたことなのでこの予選通過から本選までの約1ヶ月ほぼそのことについて考えてなかったのが悔やまれます。

また、根本的な原因は、ロボットの製作が遅れたことにあります。ということは、来年はアイディア、設計を今回より早くするべきです。そして、練習の時間を多くとれれば推奨の作業についても考える余裕が生まれます。来年こそは、この反省をふまえてレスキュー工学大賞をとりたいです。

鮫島智樹君(電子機械工学科2年)

今回のレスキューロボットコンテストでは、ヘルパーという役割を担当しました。ヘルパーというのは、あまりレスキュー活動には関係ない役割と言えますが、ロボットが動いているのを最も近く見れるというとてもいい役割でもありました。

予選ではポイント7位だった救命ゴリラ、

さて、本選のファーストミッションではどうでしょうか。

本選では、ファーストミッション、セカンドミッション、ファイナルミッションと3つのミッションに分かれています。ファーストでポイント5位以内なら、ファイナル進出決定となります。セカンドは、いわば敗者復活選、ファイナルが決勝選みたいなものです。

ファーストミッションで、救命ゴリラ!!の各ロボットは順調な動きをしていて、見ている側も安心して見られました。無事にダミヤンを3体全員救助できました。ポイント順位は3位でした。

セカンドミッションに出場となると、バッテリー管理やロボットへの負担も増えるので、ファイナルミッションへの出場権をとれたのはよかったです。

翌日のファイナルミッションは、ガレキ配置などがより難しくなります。ファーストミッションよりもずっとドキドキしながら、ファイナルミッションの競技を見守りました。

ロボットは、難しい課題を前にして上手く動けず、苦戦していたようでした。結果は、1体も搬送できませんでした。

そうなった理由は色々あると思いますが、一番気になったのは、3号機が電池ぎれをしたことです。もし、電池ぎれをしなければ1体ぐらいは搬送できたかもしれません。

本選での電池管理は、僕がやっていました。ちゃんとやっていたつもりでしたが、セカンドミッションの最中は、競技や展示を回っていたので、その時にちゃんと電池をみていれば、電池ぎれをしなくて済んだのではないかと思います。来年は、変な失敗をしないようにしたいと思います。

中村 介君(機械工学科2年)

本選で、ベストテレオペレーション賞を頂きました。しかし競技内容としては、ファイナルミッションにおいて、ダミヤンを1体も救助・搬送するこれができなかったことが残念でした。ファーストミッションではダミヤンを3体救助し、第3位の得点を獲得しただけに辛かったです。

今回ダミヤンを1体も救助できなかった背景には、さまざまな要因があったと思います。まず、ガレキが多く、移動できる場所が限りなく少なく、ダミヤンに対してアプローチをするにしても足場の悪い場所など非常にアプローチのしにくい場所でした。

次に、イエローフラグが多くありました。1号機の私有地進入、ダミヤンに対する危険行為があり、1号機は退場することになり、また4号機も私有地進入がありました。

これらのことから、今後は厳しい条件でも救出作業が行うことのできるロボット、そして、しっかりと練習を積み重ねることがいかに重要かということを痛感しました。今回の反省するべきことを無駄にすることをないように今後に生かしたいと思います。

田中 亮君(電子機械工学科2年)

私は、予選の時には機体を完成させることができなかったので、今回の本選が初めて自由工房外のフィールドでで動かす機会になりました。

前日のテストランでは、いつもどおり救助することができていたので、ファーストミッションでも問題なく救助・搬送できると思っていました。

しかし、ファーストミッションの前にデモ競技に出たとき、重要なポイントに気づきました。私は家ガレキ内のダミヤンを救助するときは、いつも一度家の横を通り過ぎ、バックで家に横付けしていました。けれど、デモの家ガレキ配置は、バックができない状態でした。

3号機は、バックでないと横付けできません。もしデモに出ていなかったら、ファーストミッションで、うっかりと練習時のようにロボットを動かしていたかもしれません。デモに出ることができてよかったと思います。

ファーストミッションでは、少し緊張から操縦をミスしましたが、個人的にはチームとしてほぼ予定通りの流れでできていたのでよかったと思います。

ファイナルミッションでは、バッテリーの充電状態がよくなかったせいか、途中でリスタートをかける事態になってしまいました。そのせいもあって、結局1体も搬送完了することができませんでした。今回の結果は、悔しいものになってしまいましたが、これは機体の完成が遅れたことによる練習不足が原因だと思います。来年の大会には、早いうちに機体を完成させ練習の時間を十分取りたいと思います。

中森智史君(電子機械工学科2年)

私は今回、おもに「救命ゴリラ!!」のコンセプトである”ユニット化”の機械的な機構を担当していました。

ユニット化とは、ワンオフで作られがちなロボットを各機構(救助ユニットや走行ユニットなど)ごとに取り外し、ほかのロボットと取り換えができるように設計を行うことです。

また、それと並行して、ほかのマシンの手伝いも兼ねて行っていました。本番ではチーム間通信を担当し、そのほかにも細かい手伝いをする形になりました。

自分のすることに追われていたので、競技の様子はあまり把握できていません。途中から4号機の指揮を執りましたが、退路を連結ガレキとバンププレートのコンビネーションに阻まれ、搬送を停止せざる終えませんでした。

最終的に我々「救命ゴリラ!!」は、我々が推し進めていたユニット化が功を奏し、ベストテレオペレーション賞を獲得しました。特に通信を行う中枢となるTPIPボードを乗せたコアユニットは、「ユニットをレールに差し込み、コネクタまで押し込むだけ」というワンタッチでとりはずしできるようにまでなっていることが、評価されたと思います。これら機構面から、電子回路に力を入れ基板を独自に開発したことも大きく貢献しています。

しかしながら、レスキュー工学大賞を受賞するには至りませんでした。

こうした結末を振り返ってみて、私が思ったことは”救命ゴリラ!!”はいったい何をしたかったのかということです。

もちろんコアユニットをコンセプトに置いたのはわかってはいます。しかしながら、結局のところユニット化をうまくアピールできていなかったのもまた事実です。ユニット化した部品も結局の少ないので、わかりにくい感じだったとと思います。

そうした点を鑑みると、とにかく作ることと考えることのサイクルを早めるべきだったと思います。正直、このほかには言うことはないと思います。

あとはロボットのサイズがあまりにも大きかったのではないでしょうか。今のサイズでは、本選の状況でああなっては仕方ないとしか思いませんでした。モノづくりは、「したいことを決めてから方策を導き出す。反省点はその過程で生かす」それに尽きると思います。

来期これらを踏まえたうえではよりよいチームづくり、マシンづくりになればと思いました。

近藤由規君(電子機械工学科1年)

とにかく悔しかったです。レスキュー工学大賞をほかのチームがとってしまったことそれも高校生チームだったこと……。

初めてやったスピーカーに関しては、上殿さんや入部先生に細かく指導してもらったし、たすく先輩にも本とか貸してもらって、いろいろ準備したのに、駄目でした。しらさぎのプレゼンの画像が、「救命ゴリラ!!」よりも格段にわかりやすかったわけではなかったと思っています。やはりスピーカーの能力で負けたと感じます。でも、どうしたらよかったとかはわかってる気がするのでいい経験になりました。いろんな先輩に教えてもらったことを、次は自分が来年度の後輩に教えていけたらいいと思います。

スピーカーだけでなくレスコンの本選を見て、だめだなと思ったとこや、次はこうしようとか改善するべき点をたくさんみつけることができました。またそれをちゃんとメモしてあるから、自由工房の仲間とどんどん意見を交わしていきたいと思います。

問題は、プログラム面で自分はまだほとんどなにもできないことなど技術面に不安があることです。

レスコンのビデオとかスピーカーのビデオあるなら、コピーして何度も見て研究したいなぁと思います。いろいろ勉強になる大会でした。

清家悠太郎君(電子機械工学科1年)

私は今回の本選で仕事がなかったため、ほとんどの競技を見ることができました。ファーストミッションでは全体的にダミヤンの救出率が高く、どこのチームも必死にやっているのがわかりました

私たちのチームは少々危ういところがありましたが、3体のダミヤンを救出することができ、上位にはいってファイナルミッションに進出したのでうれしく思いました。

ファイナルミッションでは、いろいろなチームを見ていましたが、ガレキの位置や量、ダミヤンの方向などが難しく設定されていたので苦戦している場面が多々見られました。私たちのチームも相手チームと連携して救助活動を行っていましたが、1体も搬送できない結果で終わってしまいました。

来年は僕らが主体となると思うのでこれらの結果を生かして来年のレスコンに向けて考えていきたいと思います。

鼓 悠介君(環境技術学科1年)

大会ついての結果はだいたいの予想通りでした。もしいいとこまで行けるとしてもそれは、もしもダミヤンの位置が良かったら、もしも家ガレキの位置が良かったら、など”もしも”の場合が多いだろうと考えていました。実際にファーストミッションではダミヤン・家の位置が良かったので良い得点が取れたがファイナルミッションは両方の位置が悪っかたため、残念な結果になってしまいました。

現実の救助現場では、不測の事態が多く発生するもので、今回の救助ロボットはそうした不測の事態に対応できないものでした。次回はどんな事態にも対応できるロボットを作っていきたいと思います。今回の大会で、競技の雰囲気や審査基準、他チームの機構などを観察・理解できたのは大きな収穫になりました。

平戸裕司君(電子機械工学科1年)

本選の舞台には初出場だった私は、会場のスケールの大きさと人の多さに圧倒されました。予選の時と同様に、控室でロボットの調整を忙しく行いました。まだ慣れていないせいか1日目を終わった時には、どっと疲れがでました。初日は三宮に1泊し、次の日に備える事にしました。

ファーストミッションは、上位5位以内に残るとファイナルミッションに進むことができる大事な競技です。私は、個体識別を認識にして本部に送る役割でしたが、最悪なミスをしてしまいました。家ガレキのダミヤンがいるブロックの位置を間違えてしまったのです。救命ゴリラの識別ポイントにゼロが刻まれて、ミスに気づきました。

そのミスから立ち直ることはできませんでした。しかし、チームの合計ポイントは全体で3位で、ファイナルミッションに進むことができました。

そして迎えた最終日のファイナルミッション。ファーストミッションの時のようなミスはやってはいけないと自分に言い聞かせ家を出ました。

競技が近づくにつれ、まともに他のチームのロボットを見る余裕もなくなってきました。結果は全体で6位。ファイナルミッションでは、個人的なミスはありませんでした。けれど、自分自身に負けたような感じがありました。今度からは、もっと自分に自信を持ち尚且つ今回よりもいい結果が出せるように努力していきたいです。

スナップ