2013年度ルネサスマイコンカーラリー競技大会

8月24日開催の第四回ルネサスマイコンカーラリー競技大会に、自由工房から4名が出場しました。エントリー台数92台、そのうち完走したのは48台でした。自由工房では大西祐喜君(通信工学科3年)と目黒隼人君(機械工学科4年)が完走できました。

今回の大会では、新たに減速エリアが追加。このエリア内は1800mmの距離を1秒以上の時間をかけて走行しなければなりません。1秒未満で走りぬけると、ゴールタイムにペナルティタイムが加算されるルールでした。

大会成績

予選順位 名前 ロボット名 記録
37位 大西祐喜君(通信工学科3年) 準急行 00’19″42
44位 目黒隼人君(機械工学科4年) イーグルアイ 00’24″71

コース図

全長61.66m。公式サイトより転載

公式サイト

ルネサスマイコンカーラリー競技大会2013年度大会 一般の部

三原和也君(通信工学科3年)

今大会は、時間内で何回でも走らせる事ができましたが、センサーのアナログ値の調整がうまくできず、7〜8回走りましたが、完走できませんでした。

アナログセンサーの値が定まらず、1走目はR450のスネイクで落ちたので、PD制御のP値とD値を上げて、サーボモーターの応答性をあげて2回目を走りましたが、クランクで落ちました。

原因はサーボモーター応答性が上がり、先読みセンサーのアームが非常にぶれやすくなったので、クランクに入るマークを誤検出しまったためです。

現在のアナログセンサーは基板の中央に40mm幅で取り付けてあるので、アナログ値は灰色と黒の間を取るようになっています。センサの幅を37mmにすると灰色のみを検出すればよくなるので、走行コースによるアナログ値の変化量を少なくする事ができると思います。

これにより、今より環境の変化による影響を減らし安定した走行ができるようになります(図1)。

図1:センサーの配置変更

今大会にむけて、ハーフラインの調整を頑張っていたので、少し書きます。

デジタルセンサーが離れて角度を切るのですが、水色の線の所で回帰しようとすると直線距離は約470mmとなり初期値で25度曲げて距離により少しずつ切り角を減らす事で回帰しやすくしています。

これからは引き継ぎとしてプログラムのコメント文をいれて、ソフトのメンテナンス性を向上させ、アナログセンサーのプログラム補正についてやります。

大西祐喜君(通信工学科3年)

2月に行われた電通大杯の後から、走行ログを取り走行調整をしてきました。以前使っていたログプログラムを見やすくして、走行タイムを表示するようにしました。

ログを取ることで、走行中にセンサーがちゃんと働いているか、タイヤの制御が正しく行われているかのデータを蓄積することができました。

プログラム面では、主にクランク走行の速度制御の調整やレーンチェンジの安定性の向上、通常トレース時の外ブレ防止、新たに追加された減速エリアへの対応などを行いました。今大会から追加された減速エリアに関しては、確実性を重視してエリアに入るマークの2重線のうち2本目は読み飛ばし、クランクと同じ処理に入れました。クランク規定の1000mmを超えたらマシンを停止させて1800mmを1秒で通過できるように再加速するプログラムしました。

ハード面は、ハンドル部分の精度を高めてセンサのブレを改善しました。これは片持ち状態だったマクソンモータを軸の先端部分にベアリングが来るようにし、両持ち状態にすることにより改善しました。

坂道検出スイッチに誤検出の恐れがあったので、固定具を少し長くしたものを製作し、坂の終端部分で坂を検出することにより、通常時の誤検出を防止しました。大会に備えてセンサやギアなどの各部品の予備を用意しました。

Out Of Service eep_38a Data Out
Time Pa Sen Cs Ang Ans Fl Fr Enc
12.5 11 0000 1 -4,-113 80 80 45
12.5 11 0000 1 -6 87 90 90 44
12.6 11 0000 1 2 -84 80 80 45
12.6 11 0000 1 -6 61 90 90 44
12.6 22 0000 1 -8 -52 -10 -10 44
12.6 22 0000 1 8,-110 -10 -10 41
12.6 23 0000 1 3 21 60 60 36
12.7 23 0000 1 11 -80 60 60 36
12.7 23 0000 1 5 -11 60 60 35
12.7 23 0000 1 12 51 65 65 32
12.7 23 0000 1 11 127 65 65 34
12.7 42 0000 0 0 68 -30 90 33

走行中のログ。Paはプログラム内の条件分岐でどんな処理をしている示している。Csはセンターにあるセンサーの状態を表示しており“1″ならコース中央を走行中。Fl、Frがそれぞれ左モーター、右モーターの状態。

今回の大会の結果は良くなかったです。完走はできましたが、コース長61.66mで走行タイムは19.42sと遅く、前回より順位は低かったです。

遅かった主な原因としては、センサのブレがひどかったためです。自由工房と会場の照明の状態が異なり、アナログセンサの値が異なり、正常に動作していませんでした。

予選の間、PD値の調整を行いましたが、あまりうまく行かず結果には結びつきませんでした。センサのブレが酷いため、カーブなのにレーンチェンジと誤検出するので最高速の8割のスピードで走行させました。スピードを落としたおかげで、なんとか完走はすることができました。

徳永さんから、会場ごとにセンサが取得するアナログ値は違うので、プログラムで補正してみたらどうかと助言を頂きました。今後マイコンカーをするなら、クローラーを装備したマシンを製作したいです。

高城康一君(電子機械工学科2年)

自分はプログラムがあまりよくわかっていないので、どのように新規定用にプログラムを変えるかわかりませんでした。ネットで調べてみたりもしましたが、わからなかったので先輩に聞きながらプログラムを書きました。

その他に今回はロータリーエンコーダを取り付けました。

大会の予選が始まり、マシンを走らせましたが、通常トレース時のセンサのブレが直らず、クランク時にクリアできたり誤検出してクリアできなかったりしました。

レーンチェンジは2ヶ所あり、一方のレーンチェンジはクリアできるのですが、もう一方の減速エリアのすぐ後にあるレーンチェンジでは、ハーフラインを読み取ったすぐ後にマシンが曲がって脱輪してしまいました。大会が終わった後、先輩に原因を聞いた所、プログラムで減速エリア二重線を読み取った後の終了条件がおかしいのではないかとのことでした。

そういったことがあり、結局大会では完走できませんでした。

決勝トーナメントを見ましたが、優勝争いをするマシンは1周15〜16秒台とすごいタイムを出していました。その中でも準優勝の徳永さんは画像処理マシンで15秒台のタイムを出していました。昨年見たときには、画像処理マシンはまだ遅かったのに、タイムをすごく詰めていて自分は特に驚きました。

大西智之君(電子機械工学科1年)

今回、マイコンカーの大会を初めて見学しました。大会の真剣な空気を感じることができました。

自由工房でマイコンカーが実際に走っているのは何度も見ていましたし、最近自分のマシンもいただいて、少しは様になってきたかなと思っていましたが、私のいる位置がまだスタートラインにいることを改めて感じることができました。

大会には高校生も出場していて、すごく安定した早いマシンを扱っていました。歳は違っても、年季が入っていてマイコンカーは本当に技術の積み重ねだと思いました。

今回は、見学と撮影でしたが、私も来年あの舞台に立ちたいと思いました。まだ自由工房に入って半年もたっていませんが1年しっかりと勉強し来年の大会には出場したいと思います。

スナップ