近畿学生2足歩行ロボットリーグ2015 開幕レポート

2015年5月17日、港区民センターにて「近畿学生2足歩行ロボットリーグ2015」が開幕しました。関西の学校が、3人一組でチームを組み出場する。基本性能のデモンストレーション、ロボットバトルや、走るスピードで競う総合競技会です。

自由工房では、学内リーグで出場メンバーを選出しています。今回は,新入生のデビュー大会として1年生チームで参戦。新メンバーが経験を得る場としました。

大阪電気通信大学・大阪工業専門学校・大阪工業大学・大阪産業大学の4校が年間6大会で得た合計得点で年間総合優勝を争います。

参加者レポート

藤原 庸平君(情報学科 3年)/ロボット名:ヘリパ

今回はメンバーの岡本和也君(通信工学科3年)に「ヘリパの強さが知りたい」と言われ、現状のヘリパの強さを確かめるために

一般参加のオープンクラスに参加してみました。

このロボットは、技術講師の福田さんのKHR-3に圧勝し、去年の学生リーグでも勝率を上げてきたロボットです。

1回戦では、オープンクラスで何回も優勝している人にあたり、1度もダウンを取れないまま負けてしまいました。ロボットの性能差よりも、操縦経験の差が大きいと思います。

その後、1回戦で負けた人たちによる敗者復活戦がありました。勝ち残ると、オープンクラスの3位になれるため、参加しました。

しかし、2回あった試合は不戦勝と、相手の故障で勝利になりました。自分でも予想外でしたがオープンクラスで3位になれてよかったです。

今後はヘリパの大改造を行う予定です。1回生もなかなかやるようですが、追い越されないように頑張りたいです。

植村哲也君(情報学科1年)/ロボット名:フラグ

大会に向けて頑張ったことは、モーションの設定です。

移動モーションを調整しました。前に歩いた後に後ろに歩くとと倒れ、後ろに歩けても横に移動すると倒れることの繰り返しでかなり苦戦しました。

大会の結果は全敗でしたが、ハイトルクサーボを積んだ対戦相手から1ダウン取れたので、自信がつきました。

今回の大会の反省点は、ロボットの癖を知らなかったこと、ホームポジションの設定の微調整の不足、バトル中における瞬時の判断力です。

ロボットは、走らせる時に斜めに進んで倒れてしまう癖がありました。また攻撃モーションでは、射程範囲と角度を知らなかったので、次の機会までに改善しておきたいです。

モーションの微調整ですが、バトルが終わった後に動作を確認したら、バランスが悪い時がありました。おそらく戦ってる時に原点がずれたと思います。だから、戦った後にはホームポジションの微調整必要だとわかりました。今後は設定を怠らないようにしたいです。

判断力は、戦っているときに、モーションを間違えることが多かったので、自由工房内で、練習を十分にしてから本番に挑みたいです。

今後は、他校に負けないように、自作機の製作に取り組んでいきたいです。

太田 佑君(情報学科1年)/ロボット名:まほろ

他校のロボットは、フレームを自分で設計・作成して作られたロボットでした。それに対して、私のロボットは市販ロボットキットのKHR2をほぼ素組しただけです。加えてモーションなどもかなり荒削りでした

そのため、バトルでは他校のロボットに全く歯が立たず、全敗という結果に終わりました。

私は今大会が、ロボットバトル初参加です。開幕戦なので好スタートを切りたかったのですが、惨敗して悔しかったです。

次の大会へむけて、ロボットをリンク足機構に改造したり、モーション調整をしっかりして、せめて一勝できるように努力したいです。

関 悠伍君(電気電子工学科1年)/ロボット名:ハードラック

今回は、入学してからの2ヶ月ほどで製作したhurdruk(ハードラック)で参加しました。

競技は、前年度と同様に、デモンストレーション、ラン、ロボットバトルの3つでした。デモンストレーションは、リーグ開始時に自己紹介を兼ねて行われるロボットの紹介タイムです。ロボットを製作して間もないことから、自分自身が分かっていないこと、慣れていないことも多く、うまく紹介できない点がありました。

しかし、ここで自分のロボットを改めて見て、自分の中で今時分に分かっていることの整理ができました。

ロボットバトルの結果は、個人で3戦2勝1敗うち1勝は不戦勝でした。

1試合目は、自作機が相手でした。この試合が大学に入学して初めての試合となりました。この初戦は、操縦などにも慣れておらず、相手と反対の方向に攻撃を出してしまったり、思うようにロボットが動かせなかったのですが、何とか勝利しました。

2試合目も、相手は自作機でした。この試合では、最初に相手のロボットと絡み合った後、突然平行リンク脚の膝のサーボモータが発煙して故障しました。このまま起き上がりができなくなり、負けてしまいました。

3試合目は、前試合での故障を修理したものの、相手のロボットの故障により不戦勝となりました。

ロボット修理の際、予備のサーボモータを持ってくるのを忘れてしまい、仕方なく片腕をはずしてそのサーボモータを使って修理しました。このため、片腕がない状態になり、不安定なまま参加することになりました。

しかし、この片腕をはずしたことが、ロボットの重心を大きく片方へ傾けることになり、サイドステップの移動が片方向にのみ普段より極端に速くなりました。そのため、残っていた競技であるランでは、ほかのロボットに大差をつけて1位になることができました。

今回の大会は、準備が不十分なところもあり、非常に安定しないものとなりました。しかし、大会当日の故障からの偶然の産物や運などもあり、様々なものに助けられました。

成績は他校と同率ではあるものの、個人優勝をいただくことができました。次回のリーグ戦では、今回の失敗を基にしてサーボモータ故障の原因究明や、自分自身の判断の整理などをしっかりと行って、次の場へ望みたいと思います。

講師アドバイス

福田拡司(ヒト型ロボットプロジェクト技術講師)

前年度は総合優勝できましたが、今年度は前年度メンバーがそれぞれの事情により参加が難しくなりました。結果、今年の学生リーグ参加者は全て1回生となりました。

そのため、今回の大会では自分のロボットが完成した1回生を参加させ、大会の雰囲気を知ってもらうことを目的としました。結果は4チーム中3位という結果に終わりました。

昨年度の優勝チームとは思えない結果になりましたが、概ね予想通りです。

当プロジェクトは、先輩からロボットを引き継ぐことはありません。ロボットを初めて触る人は、市販機を組み立てて改造し、その段階で大会参加となります。

他校は、自作の機体を先輩から引き継いでいるため、どうしても当プロジェクトの対戦相手は自作機体だらけになります。現時点で勝つことは難しい状態です。

しかし、今年度は1回生が多く入り、先輩の学生も熱心に教えており、去年よりも良いチームワークができています。

最終的に総合優勝につながるよう、私もスケジュール管理等の支援を行っていきたいです。

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