電通大杯マイコンカーラリー実行委員会スタッフレポート

電通大杯 第5回マイコンカーラリー大会は、学生達が自ら電通大杯実行委員会を立ち上げ、企画運営を行いました。

初めての試みであったことと、委員会の立ち上げが遅れてしまったため、準備期間も少なくなり、当日までは多くの苦労がありました。

大会告知期間が短かったにも関わらず、これまで電通大杯にご協力くださった先生方のお力添えをいただき、多くの参加者があり開催することができました。ありがとうございました。

大会後は、自由工房の名物「工房鍋」を囲んで懇親会を行いました。多くの方に参加していただき、交流を深めることができました。

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スタッフ感想

中井智貴君:電子機械工学科2年

今回の電通大杯は、実行委員長兼選手とかなり忙しい立場で大会に参加しました。

今年の大会は学生主体で初めての開催だったため、運営の不手際もありましたが、皆様のご協力をいただきいい大会になったと思います。

スタッフをお願いした神戸市立科学技術高校の登先生、徳永さん、紀北OBの西村さん、山本さん、参加者の皆さんのおかげでこの大会が実施できたことに感謝しています。本当にありがとうございました。

大会の企画を始めたのは、去年の10月から11月です。

今年は学生主体で電通大杯を行うと決まり、今まであった電通大杯実行委員会を先輩方から引き継ぎました。このような大会を企画、運営するのは初めてでどのようにすればよいのか正直よくわからない状態で始まりました。

実際に、開催し参加者はどのぐらい集まるのか、どのように宣伝、参加者募集を行うのかも決まらない状態でした。参加者募集の為にまず、近畿マイコンカーラリー事務局に連絡をお願いし、事務局を通じて近畿のマイコンカーラリーに取り組んでいる高校に連絡をお願いしました。

その後、ジャパンマイコンカーラリー近畿地区予選大会の会場で、知っている先生に「今年も電通大杯を開催します」と宣伝しました。これだけでは集まらないと思いホームページや今まで参加していただいていた選手にも連絡を薦田室長にお願いしました。

実際、募集が始まった当初は5人程度と大会には全くならない人数でかなり心配しました。しかし、高校生の全国大会が終了し、受付終了時点で67名の選手が参加するということで、前年度よりは少ないものの、かなりの人数を集めることができました。

北は北海道の小樽市、南は沖縄県八重山郡と日本全国からたくさんの選手に来ていただけて、とても感謝しています。

大会に近づくにつれ仕事も多くなり、毎日夜遅くまで準備し、家に着くと日が変わっている日が多くなってきました。教職の授業があり準備できる時間が限られている中で、どれだけ効率よく準備できるかが大会を成功させる鍵となって来たのがわかりました。

書類関連はある程度、印刷する状態までできていたのでよかったのですが、大会で使うゲートの完成具合がかなり遅く間に合うかぎりぎりの状態でした。

今思うと準備始めた時期がかなり遅く、大会では準備不足が出たのではないかと思います。ゲートのシステムが全て出来たのは大会前日で、バグ出しもできず大会に臨んでしまった事、大会のリハーサルを行わなかった事、大会スタッフに伝達しなければならないことを忘れていたりと、かなり抜けていることが多かったと感じました。

実際、大会当日は朝からかなりバタバタしてしまいました。当日見つかったミス、バグもあり大会進行にかなりの影響がありました。

去年より参加人数が少ない分、予定していた時間より早く大会を終了することができるだろうと思っていましたが、大会中にゲートが壊れてしまったり、呼び出しが遅れてしまったり、車検がうまくいってなかったりとトラブルが重なり、結局30分程度押してしまいました。準備不足が原因だったと反省しています。

しかし、大会終了後の懇親会では「楽しかった」「面白かった」と大会を喜んでいただいた声が多く聞けて、とても良かったです。参加者の声を聞いて、大会を行ったかいがあったと思います。

この電通大杯を来年、再来年と長く続けていけるように、今回の反省点と経験を生かし、次につなげていき、今年よりもよりいい大会を運営できるようにしたいと思います。

今後も大阪電気通信大学自由工房をよろしくお願いします。

鹿島健吾君(電子機械工学科2年)

私は、今回の電通大杯で司会を担当しました。元々裏方作業のほうが性に合っているので、大勢の前に立つというのは中々に緊張しました。

また、少し事前の打ち合わせや連絡などが足りなかったと思うところも多々ありました。そういった経験を次回にはしっかり生かして行きたいと思います。

とりあえず、大きな不具合は無かったので、今はホッとしています。

中村祐一君(電子機械工学科2年)

今大会で、私は計測の担当でした。私は2か月以上かけて、計測を集計して表示する、計測集計システムを開発してきました。しかし、いざ大会に使ってみると、一つの致命的なバグと電源管理のミスによる、マイコンの故障により、全部使えなくなりました。

まず1つ目の致命的なバグは、単に私がマイコンカーラリーを熟知できていなかった事によるバグでした。

マイコンカーラリーは、基本的にゲートが開いてスタートとなり、マシンがゲートを通過し、周回してきたマシンがゲートを通過してゴールとなります。

私の作った装置は、ゲートが開いてからマシンがゲートを3秒以内に通過しないとセンサが誤認識を起こして1回目の通過がゴール扱いになってしまい、意図しないゴールとなってしまいます。

この対策は、プログラムのコードを3行追加するだけで解決できることでした。

私は、すべてのマシンはゲートが開いたらすぐにスタートすると思い込んでいました。スタートするのに時間がかかるマシンがいることを想定していませんでした。マイコンカーラリー大会の実情を知らなかったために、このような結果を招いたと思います。

他に原因を探ると、自分1人でゲートのシステムを構築し、その動作プロセスをメンバーに説明しましたが、相手側に正しく伝わっていなかったのも問題でした。ゲートの仕様について、もっと入念な話し合いをしておく必要がありました。

マイコンの故障に関しては、前日にゲートを操作していて、そのまま電源を入れっぱなしにしてしまったためです。そのためゲートのサーボが駆動状態のまま10時間以上放置され、レギュレーターの熱でマイコンが故障し、意図しない動作を起こしてしまいました。

これは意識不足が、ケアレスミスという形になって現れてしまったトラブルです。

こうした2つの故障とバグにより、大会は私のせいでグダグダになってしまいました。大変申し訳なかったです。

しかし、システムエラーの内容が意味不明なエラーでなく、ヒューマンエラーで済んだことがよかったです。それが、私の折れそうで潰れそうになった気持ちを救ってくれました。

マイコンカーラリーの大会を見ての感想ですが、全員タイムが残ってとてもよかったと思います。

ただ、自由工房のMCRプロジェクトの技術力がそのまま露呈した感じを受けました。MCRプロジェクト班は、機械加工の精度ばかりを気にして、ソフトウェアや電子回路がかなり疎かになっている気がします。

今の自由工房で行っているのは高校生のマイコンカーづくりとほぼ同じ事を行っている様に見えます。

プログラムは、見たところ高校生でも考えられるようなプログラムで、大学生らしいチャレンジングなプログラムを組んでいるように見えませんでした。

電子回路についても、組み方がわからないのであれば、図書館などに足を運んで調べればチップのFET等様々な種類がるのがわかるはずなのに、殆どと言っても良いほど触っていません。

マイコンカーはメカトロニクスだと私は考え、電子電気回路・プログラム・機械設計加工・物理計算が確立してから一般での上位を狙えるはずです。それにもかかわらず、初めからあきらめている様に見えます。

現に今のMCRプロジェクトは、初めから負けている前提で「この人には絶対に勝てない」と思いながらマシン設計を行っているように見え、チャレンジ精神が全くない様に思います。

このままでは、大阪電気通信大学の宣伝になるはずの自由工房MCRプロジェクトの存在がもったいないです。私もそうなのですが、MCRプロジェクトの人も、自覚とチャレンジ精神を持って、行動をしないといけないと思います。

来年の大会が開催されるのであれば、ゲートシステムの2つの問題を取り払い、更に良いシステムが構築できたら良いなと思います。

中森智史君(電子機械工学科2年)

私は、今回の電通大杯の運営では書類の作成と、当日はUSTREAMでの生放送を担当しました。

USTREAMでの視聴者は、最大で13人ほどでした。初めての試みだったので、カメラの配置など検討すべき点は多いように思います。

そのことからも、反省すべき点は多くありました。

今回の電通大杯は初の学生主体の運営だったので、正直どこまでやれるか不安なところもありました。

これまでゼロから大会を運営した経験がないため、スケジュールが押してしまい、進行がかなりギリギリになってしまいました。そういった点が、今後の自由工房としての意識向上につながればいいと思いました。

今回の電通大杯で得られたこともありました。マイコンカープロジェクトとしては、新入生の2人が初めての大会ながら健闘し、記録を残せたことです。

マイコンカーラリーは、東日本大震災の影響によりルネサス主催の大会が中止されました。モノづくりをするときに必要なモチベーションと意識が、電通大杯で得られたのは大きかったのではないでしょうか。

また、今までとは違い私たち学生が主となって電通大杯を企画運営したので、とても大きな経験値を得ることができました。こうした計画を実現することは、学生主体の場所である自由工房ならではのいい側面だと思います。

様々な点で、今回の電通大杯は自由工房にとって、ターニングポイントになったと感じました。

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