2011年度 第2回マイコンカーラリー練習会

11月6日(日)、テクノフェア内でマイコンカーラリー公開練習会を実施しました。観客は、お昼ごろから入り始めました。常に6人以上の観客がいて、夕方には海外の方も見に来てくれていました。

公開練習をすると、一般のお客さんとマイコンカーを知っている人では、マシンに対する反応が違うのが顕著でした。

たとえば、鹿島健吾君(電子機械工学科2年)の四輪駆動マイコンカーは、参加している高校生達は興味津々で見ていましたが、一般の方には何がすごいのか伝わっていないようでした。

まだまだ速いとは言えない大西祐喜君(通信工学科1年)のマシンを見て、「速い!」と」驚いたり、中井智貴君(電子機械工学科2年)のマシンになると「おお〜!」という声があがりました。

スタッフが説明をすると、質問を返してくれる人も全体の6〜70%ぐらいいました。親子連れの方は、お子さんがロボットに興味をもっていることが多くよく質問してくれました。

外部参加の徳永さんの画像処理マシンは、林さんの画像処理マシンより速く、三原君たちが前期に調整していたbasicマシンより少し遅いぐらいででした。徳永さんは「basicより速くしたい」とおっしゃっていました。

高校生のbasicマシンは、三原君たちが前期に調整していたbasicマシンより速くて、完走率は60%ほどでした。新しくルールに追加されたハーフラインのガードも難なくクリアしていました。

自由工房勢のマシン全体の完走率は50%ほどでした。

今回は事前準備として、参加者のリスト作成や張り紙作成などがしっかりできていたので、当日あわてるようなことはありませんでした。

メンバー感想

安慶名将君(電子機械工学科3年)

今回の練習会は、何度でも自由に走らすことのできる形式を取りました。コースが空いていたら自由に走らせることができる方式です。自分のマシンは完走率が50%ほどでした。

前日には、問題なく1周することができていました。しかし、当日は2〜3周走らせたところでマシンの挙動が不安定になりました。ハンドルの振り幅が大きくなっていたり、センサーのデジタル部分の反応が多くなったりといった具合です。

前日に調整した部分がプログラム面のみだったので、プログラムの調整をして直そうとしましたが、それでも挙動の変化が治らなかったので、マシンのハード面の確認をしたところ、何度も走行させている間にネジが緩んだためだとわかりました。

挙動がおかしくなった時に、プログラム面と並列してハード面の点検をしなけらばいけないと再認識しました。

ハード面のメンテナンスを行い、不安定な挙動をなおした結果、15.83sで一周するようになりました。約2.39m/sと速度は遅いものの、完走率は70%になりました。

今後の課題として、1つ目に新ルールのハーフラインに取り付けられたガードレールにあたらないよう、ハンドルの切り角を大きくしてレーンチェンジに侵入して、その後脱出の際にガードレールにあたらずに安定してもどれるようにできるようにしたいです。

2つ目は、駆動用のモータの出力を大きくした際に、カーブやS字でハンドルが振り遅れるといったことをなくしたいです。

鹿島健吾君(電子機械工学科2年)

今回のテクノフェアで、マイコンカーの展示と試走を行いました。 私は当初は走らせるつもりはなかったのですが、それではいけないと思い、新たなプログラムはできないものか考えていました。特に、自分のマシンの特性である「四輪操舵」を生かした走りができるプログラムはないものかと考えていました。

そこで、クランクの曲がり方に目を付けました。レーンチェンジでは四輪操舵を使った平行移動をするのに、クランクで普通の曲がり方だと面白くないからです。

普通の前輪操舵のマシンのクランクの曲がり方は、まず、クロスラインを読み取った際に減速し、クランクを曲がりきったら再加速というものです。私のマシンも、これまではそうしていました。

しかし、それではやはり面白くない。そこで、逆位相にハンドルが切れる四輪操舵らしいプログラムを考えました。

まず、クロスラインを読み取った際に、減速をかけないで走らせます。その後、クランクを読み取ったら急ブレーキをかけながら一気に前後のハンドルを切ります。そして、通常トレースに戻ります。簡単に言えば、ドリフトみたいな事をしようとしたわけです。

これは、前後のハンドルを切れるマシンだからこそできる走り方だと思います。このプログラムの利点としては、通常よりも減速が少なくクランクを曲がることができる可能性がある、ということです。

また、今後ギア比などの変更で速度が上がった場合においても、ブレーキタイミングが通常のマシンよりも多くとることができます。

前日に考え付いたこのプログラムは、テクノフェアで絶好の試走の場とすることができました。プログラムの完成度としては、あと一歩程度のところまではできたのですが、不幸にも車体を破損させてしまい完成には至りませんでした。

しかし、プログラムとしては確かな一歩を歩めたと思っているので、いち早く車体を修理し、プログラムの完成を目指したいと思います。

中井智貴君(電子機械工学科2年)

今回、外部からの参加者は4人でした。高校生大会前だったのでもう少し参加者が多いかなと思っていたんですが、事前の告知が甘かったのかなと思います。

今回の参加者の中で注目していた選手は徳永さんでした。画像処理マシンを調整するということだったのでどのようなスペックのマシンを製作しているのかまた、どのような走り方をするのかを見ていました。

マシン自体は、徳永さんが全国大会で優勝したときのマシンだそうで、とてもスマートにでき上がっていました。車体自体のバランスがよく、配線に無駄がなくぱっと誰が見ても速そうに見えるマシンでした。

走り方もスマートでカーブ、クランク、レーンチェンジすべて無駄のない動きでした。また、安定性がとても高くコースアウトがとても少なかったです。

僕自身も画像処理マシンを取り組んでいるんですが完走させるのが難しいのに安定して完走させている徳永さんはすごいと思いました。徳永さんに負けないように、マシンを調整していきたいと思います。

大西祐喜君(通信工学科1年)

夏休みからAdvancedクラスのマシンの製作をし始めテクノフェアまでに1周走るのを目標に製作と調整をしてきました。

車体は、8月半ばに安慶名先輩から設計図をいただき、ボール盤を使ってジュラルミンの加工をしました。大体その設計図どうりうまくできたと思います。

フライス加工でギアボックスを製作しました。フライス加工は、いちいち0点合わせをするのがめんどくさかったですが、うまくできたと思います。ギアボックスは問題なく機能してくれました。

モータードライブ基板とセンサー基板は、RENESASの製作方法の書いてあるPDFを見て部品の半田付けをしました。その基板も大きな問題が出ず、予定どおり調整を始めることができました。

そして、テクノフェアまでには、工房に常設してあった短いコースで連続で10周ぐらいは走れるように調整ができました。おかげでテクノフェア当日は、初めて37.8mの長いコースで、走らせました。

何度も走らせていると、問題点も見えてきました。クランクの調整が甘いのと、練習していたコースにはなかった坂下のS字カーブで落ちることがありました。そこを調整して完走させることができました。

1周走らせたタイムは17.30secで、自分が思っていたよりは早く走らせることができたと思います。でもカーブでかなりタイムが落ちていると思ったので、今後は電通大杯に向けて調整するにあたり、そこが最初の課題だと思いました。電通大杯ではこれの倍くらいのスピードが出るように頑張りたいです。

三原和也君(通信工学科1年)

今回の練習会に向けて、マシンの製作を進めてきました。しかし、初めて作った前輪ギアボックスは、僕の手加工が悪くて、精度が出ていませんでした。そのため、マシンの車体の前輪の軸がぶれてしまいました。

この状態では、まともに走らないと判断して練習会ではマシンを走らせずに、かわりに来客者に競技やロボットの説明をしていました。

来場者は親子連れが多く、マイコンの説明を理解してもらうのが難しかったです。例えば、サーボの切角の説明やモーター出力の説明などです。質問内容は「どうやって走っているの?」とか「ラジコンで動かしているの?」でした。

次からは、子供でもわかってもらえるように、自分自身がもっとマイコンカーを詳しく理解しておきたいと思いました。

参加マシンを見た感想は、徳永さんの画像処理がクランクやハーフラインを思ったよりも速く走っていてびっくりしました。高校生のマイコンカーも直線の速度が予想以上に速く走っていまして驚きました。

次の試走会には、完走ができるマシンとプログラムで挑みたいです。そのために精度のあるギアボックスを作り、プログラムはカーブやクランク部分を作りこみたいと思います。

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