OECU杯 ヒト型レスキューロボットコンテスト 2015のレポート
西尾昌征(機械工学科1年)
ヒト型レスキューロボットコンテストとは
ヒト型レスキューロボットコンテスト(人型レスコン)とは人型のロボット一台と操縦者一名で参加できるロボット競技です。
毎年神戸で開催されるレスキューロボットコンテスト(レスコン)のようにものづくりの楽しさや、防災や減災の難しさを考える機会を提供するために開催されています。
競技の説明
人型のロボットを遠隔操縦し、「トンネルくぐり」、「段差乗り越え」、「瓦礫除去」、「搬送」の4つのタスクを順にクリアする競技だ。「目視部門」と「カメラ部門」があります。
競技時間は6分間。中断しても競技が終わるまで時計は止まらない。4つのタスクを順にクリアし、所要時間の短さを競う。
今年からは各タスクに制限時間が設けられ、時間内にタスクが完了できなければ次のタスクに移らなければならない。
ロボットの説明
自分が使ったロボットは近藤化学のKHR-3HVVer2だ。
救助しやすいようにコの字型に加工したアルミ板を手の部分に取り付けた。また、搬送を早くするために踵にビニールテープ、背中にスキー板を張った。
大会までの経緯
自分が人型レスコンに参加することを決めたのは9月の初めごろだった。人型レスコンまで2か月を切っていた。あまり時間はないし、一から作る技術もなかったので自由工房にある市販のロボットを使うことにした。
しかし自由工房にあるものは古く、予備のサーボはなかった。またサーボはもう製造されていなかったので本番で使うには抵抗があった。そこで構造が同じで機能が一新されたKHR-3HVVer2をネット通販で購入することが決まった。
時間を無駄にしないためにロボットが届くまでは古いロボットでモーションデータの作り方を勉強した。ところがどこの業者から発注するかなどの決定が遅れてロボットが届くのが9月の終わりごろになってしまった。そこで、構造が同じなので古いロボットでモーションを作り完成したものを新しいロボットに読み込ませることにした。
届いたロボットを組み立て、モーションを読み込ませたのが10月の初めごろだった。あとはモーションのバグ出しだけだった。だが、その時点でボタンの操作は複雑になっていて覚えるのは困難だった。そこで暇そうにしていた栄楽君に操縦をお願いした。
それからモーションのバグ出しをしながら栄楽君に操縦を練習してもらった。
工夫したこと
今回は少ない時間の中で確実にロボットを完成させるためにスケジュール表を作成し、大きな変更がある度に作成し直した。つまり、スケジュール管理を徹底したことだ。
それからモーションの作成の際に実際の人間の動きを参考にした。特に参考になったのは介護の動きだ。あれは老人の負担と怪我の軽減を両立させたものなので「段差乗り越え」のモーションを作るときに役立った。
感想
今回は残念ながらファーストミッションで敗退してしまった。原因は操縦者がボタンの操作をど忘れし、ダミアンと一緒にフィールドから落ちて救助できなかったためだ。だが悲しくはなかった。たった2か月の事だったが毎日が忙しかった。その毎日を乗り越えた達成感を得ることができた。何もなかった自分を少しは誇れるようになった。それだけで十分だった。これからは来年のレスコンに向けてロボット作りを頑張ります。
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