ロボファイト21【ROBO-ONE認定大会】レポート

2019年8月4日(日)、大阪工業大学梅田キャンパス OIT梅田タワー 常翔ホールにて「ロボファイト21」が開催されました。自由工房からは4名が出場しました。吉田 拓斗君(機械工学科3年)と大会初参加の清水雄大君(ゲーム&メディア学科1年)がベスト4に入りました。

メンバー感想

h3名前 :清水雄大(ゲーム&メディア学科1年)

ロボファイト21に参加した目的は、大規模な大会に出場し雰囲気を知るためです。

ロボファイトは関西圏では最大の大会です。本来なら自分の機体を持っていない新入生が参加できるような大会ではありません。しかし、ロボファイトの1週間前に行われた神戸大丸大会に参加された先輩方の「新入生も大会に参加すればいい経験になるのではないか」というご厚意により、急遽ロボット「AgBr」をお借りして1kgクラス級に出場しました。

ただ出場するだけでは参加する意味が薄れてしまうので、私は機体操作、機体メンテナンスの方法を集中特訓しました。

普通のバランス型機体とは異なり、AgBrは安定性が乏しいかわりに腕に強力なサーボを搭載しています。そのため、操作には慣れが必要でした。例えば、旋回時や横移動の時には移動の軸がぶれているため、思い通りの挙動をしません。ですから、動くたびにズレてしまった分だけ、元の挙動に直すような動作をしなければなりませんでした。

また、操作以外に機体の耐久面でもこの機体には弱点があります。例を挙げると、配線がむき出しだったり、ネジがとても緩みやすく、操作するたびに練習中であってもメンテナンスの必要がありました。

練習方法は2Lのペットボトルをマトにして、ロボットの模擬バトルを3分行いました。その後、バッテリーの充電を行いながら機体のメンテナンスを行い、また操縦練習するというのを繰り返しました。

操縦練習では、ロボットの腕の長さが一般ロボットと比較して長いので、リーチを活かした攻撃の距離、距離の保ち方を徹底的に研究しました。なぜなら、腕のパワーは前述通り高いので、一方的に攻撃する距離を保てば、かなり強力なロボットになるためです。

一方、このような単純な練習中にも機体トラブルが起こり、その度に先輩方に助けていただきました。練習中でもっとも大きいトラブルは、モーターから煙が上がりもう少し遅ければ大変危険な状況になりかねないようなものでした。

大会ではこれまで見たことのないほどたくさんのロボットが参加していて、その迫力に圧倒されました。私の参加した1kg級は約20体が出場しました。ツワモノ揃いのうえ、自分のロボットではないため結果を残せる気がしませんでした。私の試合は開会式が終わってすぐの試合だったので、開会式の間も気が休まりませんでした。

開会式が終わり、一回戦が始まろうとした時には私は慌てふためいていました。ロボットを貸していただいた先輩がギリギリに会場入りしたため、機体そのものは私が持っているものの、機体に必要なパーツが届かずこのまま出場しても機体が動かないので、リタイアになってしまうからです。先輩が到着するなりすぐさま呼び、棄権の2分カウントダウンを行うリングに急ぎました。猛スピードでパーツを取り付け、残り10秒でなんとか棄権せずに1回戦が始まりました。

1回戦では練習の成果があり、操縦でかなり有利な戦いをしていました。しかし、AgBrが動かなくなるトラブルがあり、初戦敗退してしまいました。後ほど理由を調査したところ、無自覚に私が機体を緊急停止させる操作をしていたためでした。私は純粋な勝負で勝敗が決まらなかった事に関しては不服でしたが、敗者復活戦があるのでそれに向けてメンテナンスをしました。

敗者復活戦では時間をかけて丁寧にメンテナンスをした甲斐があり、機体トラブルを起こしませんでした。また、操縦練習を大会前に沢山したので、ほとんどの試合で優位な試合展開ができました。これらの積み重ねにより、無事敗者復活戦で勝ち上がりベスト4になりました。優勝を狙えるところまでこれました。

勢いに乗った私は機体のメンテナンスを再び入念に行い、準々決勝に臨みました。しかしそこで思わぬトラブルが起こりました。メンテナンスを行ったにも関わらず、足がうまく動かなくなりました。加えて、開始1分ほどでコントローラーからの操作が一切効かなくなったため、試合続行できなくなりました。

試合終了後すぐに調査し、足のトラブルはネジのゆるみによるものと判明しました。しかし、コントローラーのトラブルに関しては原因が先輩方でもわかりませんでした。

3位決定戦でも操作のトラブルは直らずリタイアしました。操縦には自信があったので、とても悔しかったです。

今回の大会は残念な結果でしたが、最初大会の参加目的としていた「経験を得る」ことは十分達成できました。この経験を活かし、今後やるべきことはいくつかあります。

まず1つは、次回参加する大会には自分のロボットで出場したいです。しかし、現在作っているロボットでは直近の大会の「ROBO-ONE」には太刀打ちできないので、新しくロボットを1から作成しなければなりません。夏休みをうまく使ってロボット作成に励みたいと思います。

2つは今回の大会で私の敗因となった機体トラブルについてです。大会に臨んで最低限の機体トラブルの対応方法を教わったものの、実戦ではより複雑なトラブルが起こってしまい、対処できず悔しい思いをしました。

そこで、私自身もロボットについての知識をつけて、実戦で対処できる力を手に入れる必要があると思いました。そこで、今後は自由工房の活動をさらに行い、ロボットに関する情報収集に力を惜しみません。

最後に、ロボットがストレスになっては元も子もないので、これまで通りこの活動を楽しんでいこうと思います。大会に参加されている選手には趣味でロボットをしている社会人選手もたくさんいました。その方々はお金を出してでも楽しんでロボットを作成しているので、自分からの出費が少ない自由工房の環境は間違いなく恵まれています。私はこの環境を利用して、楽しく自分のスキルアップをしたいと思います。

白井 拓也(電子機械工学科2年)

まずは1回戦を勝つことを目標とし、ロボット「OECU-Y」で出場しました。1回戦を勝てたら、今度はベスト8を目指すことが目標でした。

操作方法を感覚に染み付かせるように覚えることを重視して行ってきました。

大会では、1回戦敗退で終わりました。大会に臨む前に操縦を感覚で覚えていました。しかし全く通用せず、相手の動きに対応できませんでした。敗因としては、操縦練習を怠ったことだと思っています。

次回までに、ロボットの操縦技術を磨くことが課題です。そのためにロボットの操縦練習を心掛けます。

阪上遥希(電子機械工学科3年)

「八咫烏」は、ハロウィンのカボチャをイメージした頭に、大きなヘラを腕に付けています。機体のカラーもオレンジを使っています。

世界大会ROBO-ONEの決勝トーナメントに進出するため、優勝を目標にして参加しました。大会中に不具合が出ないように機体のネジ締めやモーションを入念に確認していました。モーション作りも攻撃した自分が倒れてしまってはいけないので、攻撃した後倒れないように何度も試行錯誤し作りました。

一回戦の相手は機体の動きが悪かったので、そこをついて勝ち星を挙げることができました。二回戦は世界大会ROBO-ONEで準優勝された方が相手で完膚なきまで倒されポイントを取られて負けてしまいました。

今回の大会で自分の機体の欠点が腕にあると感じたので、世界大会ROBO-ONEに向けて腕を作り直そうと思います。

腕をどのような形にすれば相手を倒してポイントが取れるか試行錯誤しながら作っていきたいと思います。

吉田 拓斗(機械工学科3年)

ほかのロボットには入っていないような独自思考の関節を搭載。機体の重心を下げて攻撃を繰り出すことができます。また、機構の構成部品のほとんがポリカーボネート樹脂になっており、これも今のヒト型ロボットの界隈ではあまり無い材料選択に挑戦しています。ロボットの名前は「>(デクレッシェンド)」です。

全国大会ROBO-ONEの参加選手の情報収集と自由工房HRPメンバーの技術的サポートが目的で参加しました。全国各地から選手が参加されているので選手の対策をする事で今後の活動に取り入れ、技術力向上に役立てるためです。

大会前は、操縦練習をメインにロボットフレームの状態を確認をしました。制御の精度を高めるにはフレームの曲がりやネジ1本のゆるみすら影響に出る精密機械ですので、確認は隅々までしました。

大会では、ベスト4に入りました。自分は神戸で行われた認定大会で、全国大会の決勝トーナメント出場権を持っているので、新たな戦術を試したりロボットの動きを確認しました。準決勝で自由工房のメンバーと戦い負け、チームとしてはいい方向になったのではと思います。大会を通して自分のレベルを再確認することができました。

ロボットの操縦練習と戦術の幅を広げ、技術の向上のため努めたいと思います。