inrevium杯「第12回レスキューロボットコンテスト」競技会予選レポート

2012年7月8日(日)、神戸サンボーホールにおいてinrevium杯「第12回レスキューロボットコンテスト」競技会予選が実施されました。自由工房からは4台のロボットを有する「救命ゴリラ!!」が出場しました。

レポート

自由工房の「救命ゴリラ!!」は、1体のダミヤンを救助搬送し、96ポイントを獲得。予選順位7位で、本選出場権を得ました。

今年はロボットの機構を、ユニット化したのが特徴です。

レスコンでロボットを制御するTPIP2ボードは最大11個のモーターを制御できます。救命ゴリラ!!は、TPIP2ボードから出ている信号をまとめることで、モジュール化したブロックにデータを配信するCACシステム制御回路を製作しました。

CACシステムによって、ボードもハンド機構もユニット化されています。そのため、マシントラブルが起きた場合も、機構的な問題なのか、ボード上の問題なのか調べたい時には、ボードを差し替えるだけで問題点の切り分けができます。

1ヶ月後の本選に向けて、ロボットの性能をアップし、オペレーションの練習を重ねていきます。

メンバー感想

上殿泰生君(機械工学科3年)

今年は、これまで私が経験したレスキューロボットコンテスト予選競技の中で一番ハラハラしました。

結果として予選は通過しました。しかし、ポイントを見てみると第7位の96ポイント。お世辞にもよくやった結果とは言えません。

例年の「救命ゴリラ!」は安定し高い結果を残すチームとして周りから認識されており、事実そうでした。しかし、今年はロボットの不調、未完成からはじまり、オペレータの技能不足、傍目から見たら危険なアプローチをやらざるを得なかった状況などと、いつになく不安定でした。

チームリーダーとしてこの状況を招いてしまったことに深く反省しなければなりません。

今年はやらなければいけないこと・やりたいことの取捨選択がうまくできていませんでした。それがチームを中途半端にして、あのような結果になったと思います。

本選に進むことはできましたが、予選で出た問題にキッチリ結論をださないと予選の二の舞になると思います。

我々は今年もレスキュー工学大賞をはじめ沢山の賞の獲得をめざしています。また、それと同じくらい自分たちの作りたいものを作って、競技でいいパフォーマンスをしたいと思っています。

そのためにチーム一丸となって自分たちの満足できる結果に向かって本選までの残り期間を精一杯活動していきたいと思います。

奥田友彦君(機械工学科3年)

本選進出が決まりホッとしています。予選結果はあまり良いものではありませんでしたが、現状況でのベストだと私は考えています。家ガレキに特化した機体が、出場できない状況で、ダミヤンの2体救助は困難だったと思います。

競技以外でも特に問題はありませんでした。新メンバーの1年生達もカメラ撮影や荷物運びなど、よく働いてくれて助かりました。清家くんと平戸くんに関してはチームメンバーとして操縦側に行くということでしたが、緊張や焦りといったものもなさそうでスムーズに動いていたと思います。

私自身は周りのロボットを見学して、救命ゴリラ!!のロボットを改善する方法を模索していました。去年もそうでしたが、他チームのロボットを見ていると、それが大きな刺激になります。会場で得たヒントを自チームの発展につなげたいです。

本選に向けて、3号機の完成と各ロボットの完成度も上げたいです。

鹿島健吾君(電子機械工学科3年)

今回は車体の完成が遅く、練習もままならないという状態で予選に出場しました。予選競技中に今まであまり練習してない行動のせいで、イエローフラグをもらってしまい、もともと予想していた所でもイエローをもらったせいでレッドフラグの退場となってしまいました。

いくら練習不足とはいえ、これはあまりにも悔しい出来事でした。チーム自体は、なんとか首の皮繋がって本選出場を決めましたが、それもそうとう悔しいことであります。

本選では、練習不足や車体不良もなく、見違えたような動きで救助活動出来るように、今からよりいっそう努力していこうと思います。

中井智貴君(電子機械工学科3年)

今回の予選の結果は96ポイントで7位という結果になってしまい、いい結果とは言えないと思います。原因は、自分自身が体調を崩しロボット製作に大幅な遅れがでたため、操作練習する時間を取ることがが出来なかったためことだと思います。

また今年はチームでやりたい事をやっているため、「何をどこまでやる」「どこまでできなかったらあきらめる」など判断の遅れも影響していると思います。結果を求めるならやりたいこと全てするのは無理だと判断する事も大事だと思います。またとことんやりたい事をやることも大切だと思いますが、今年はこれまでで1番中途半端だと感じます。

しかし、予選を通れたことでもう1度チャンスをもらえました。本選に向けて課題は山積みですが、1つずつ乗り越えていく事ができた時は本選でいい結果が残せると思います。

目黒隼人君(機械工学科3年)

予選競技会に、私は4号機のオペレータとして出場しました。ロボットが完成し、完全に動いたのが1週間前だったため、操縦の練習不足が否めませんでした。

当日のテストランでも通信がうまくいかず、あまり練習できなくて、本番ではダミヤン救助に5分くらいかかってしまいました。

また、練習に使っているダミヤンと競技で実際に使うダミヤンの体格がかなり異なっていました。4号機のベッドに乗せて搬送する際、ダミヤンの足がかなり外にはみでており、がれきに当たりそうになるなど、危ない場面がありました。それでもなんとか1体を対救助できました。

反省点としては、救助に慎重になりすぎて時間がかかったことです。練習では3分台でできたのですが、本番では想定していなかった状況になり素早く対応できませんでした。さらに、今回は2号機が救助中にレッドフラグをとってしまい、退場になってしまいました。

4号機が迅速に救出活動をしていれば、搬送後にもう1体のダミヤン救助に駆けつけられたことを思うと悔やまれます。

本選にはなんとか出場することができるので、残り1ヶ月の間に練習を多く重ね、、どんな場面にも冷静に対応できるようにしたいです。

中村祐一君(電子機械工学科3年)

今回のレスキューロボットコンテストにて、私は電子回路設計の担当でした。

コンテストに向けて、私はアクチュエータを約50個程度動かしたり、リミットスイッチ

を用いてリミットをかけたりと、様々な制御が可能なCoMu-B(Control Multi-functional Board)コントロール多機能ボードを設計しました。

プログラム次第では様々な動きをさせることが可能なボードですが、時間の関係上50個のアクチュエータの同時制御(させることが可能)をするのと、2号機の子機に積んだモータドライバICを用いての2つのモータ制御と、6つまでのディジタルサーボ制御のプログラムを制作しました。

予定ではあと2週間作業時間があり、もっと様々な制御をする予定でしたが、ロボットの機械担当側の大幅な遅れにより、そちらの手伝いを行ったため、時間がなくなりました。

そして、予選前になり、1台のロボットが完成しておりませんが、なんとか通常ガレキ配置のダミヤンと、家ガレキ配置のダミヤンの救助が、できるようになったので予選通過の望みが見えました。

そして予選当日、2号機のアームに問題が発生し、スピコンボードを2枚燃やしてしまいました。幸い予選開始4時間前ぐらいの時なので、なんとか問題なく修理ができました。

燃えた原因は、ギヤ同士のかみ合わせがきつく、起電力で大電流が流れたのと、モータボックスとモータ本体を止めいている金属板が、モータのピンに当たったことに短絡が問題でした。

どちらの問題も何とか解決して普通に動かすことができました。予選開始時間が16時30分頃だったのが幸いです。

そして予選開始。私は、2号機操縦者の後ろにたって、2号機の操作の補助(指示や指摘)をする担当です。

はじめは、通常通り問題なく救助活動ができていました。しかし、2号機が家ガレキにさしかかり、家ガレキの中からダミヤンを除去した瞬間、家ガレキの屋根がダミヤンに

落ちてイエローフラグが出ました。

あの時は、家ガレキの屋根の存在を認知していなかったのが問題でした。(操縦者は知っていたようです。)

ダミヤンに屋根ガレキが落ちる前、私の心境は、「今までどおりの救助ができる…キタコレ!」というテンションの高い状況で、家ガレキの屋根が存在しているのを全く気に留めていませんでした。

そして家ガレキの屋根が落ちて、イエローフラグが出た瞬間、私の頭の中は無念でいっぱいでした。

そもそも2号機は家ガレキダミヤンは救助できる仕様ではなく、家ガレキからダミヤンを出す方法もガレキ除去用に作られた、かなりのパワーがある巨大アームをダミヤン救助仕様に改良したものでした。

現実的に例えると、巨大なパワーショベルを用いて、人を救うような状況のアームです。

どう考えても、イエローフラグは確実に一回は出ると思って救助活動を行っていましたので、全く関係のない家ガレキの屋根でイエローフラグが出た瞬間頭の中は「終わった」の言葉でうめつくされました。

なんとか、家ガレキからダミヤンを出しましたが、そこからの救助でやはりイエローフラグが出ました。思った通り2号機の出番は終わったのです。

その時点で私の心境はかなり残念な心境で、その後のことは覚えておりません。

しかし、先輩から「今年はギリギリだな!」のような声が聞こえた瞬間に、私のテンションが少し上がりました。今回の予選はなんとかギリギリ通過しました。

今年の救命ゴリラ!!が行った予選では、ロボットが1台動かなかったという事態が発生し、予選での技術レベルがかなり下がりました。しかしマシンの機構や制御ソフト・制御回路は、かなり高い技術レベルだと思っております。

本選では動かなかったマシンを動かし、CoMu-Bの性能を最大限に発揮させ、制御ソフトを完成形にしたら、今までにはない、新しい救命ゴリラ!!ができると信じています。

それが実現できるように、最大限に頑張って行こうと思います。

鮫島智樹君(電子機械工学科2年)

レスコン予選の結果は、7位というギリギリの結果でしたが、本選出場権がとれてよかったと思います。

僕は、予選ヘルパーを担当しました。ヘルパーというのは、ロボットを決められた位置まで運んだり、ロボットに動作不良が起こった時にスタート地点まで運んだりする補助役的な役割です。

予選で救出できたダミヤンは2体中1体で、時間もギリギリだったので、とても危ない状況でした。それでも、4号機がちゃんとダミヤンを救出してくれたので良かったと思います。

本選まであと1か月しかないですが、完成していない3号機の製作の手伝いなどをしていきたいと思います。

中森智史君(電子機械工学科2年)

私が手伝いをした4号機は無事に役目を達成し、チームに貢献できていたと思います。結果相応のレスキュー活動だったのではないかと思います。

今回は、”次世代”の救命ゴリラと銘打ち、ロボットの製作を行いました。今まで行ってきた安定かつ迅速な救助は当たり前であると位置づけ、全く新しいアイデアを提案していこうということです。

予選では、ダミヤンを1体しか救助できませんでした。しかしながら、新しいアイデアを盛り込み、深夜遅くまで残って作業したことを考えると、それ相応の成果は出たのではないかともいます。

予選本番の直前、しかも大会会場でいくつものロボットが故障したり、本番までに結果的に間に合わなかったロボットがいたことも考えると、ぎりぎりの本選出場は想定外の結果でもなんでもないと思います。

本選まで1ヶ月。まだまだ時間があります。全員で協力して、今年度の救命ゴリラ!!としてアイデアを成就すれば評価の高い表彰をいただけるのではないかと思います。

私はこの残る一か月間、できる限りの力を尽くす所存であります。

田中 亮君(電子機械工学科2年)

私は今回で2回目のレスコン参加になります。前回は、ヘルパーとして何もわからずに出場していましたが、今回はロボットを製作しオペレーターとして参加しました。

けれど、今回の予選ではロボットを動かすこともできない状態でした。チームの皆に迷惑をかける結果になってしまった。

メンバーの活躍で、なんとか予選は通過することができたので、本選までにロボットを完璧な状態にして、チームに貢献できるようにしていきたいと思います。

中村 介(機械工学科2年)

予選競技を終えて、成績としては96点、上位7位と本当に首の皮一枚で本選に参加することができました。本選には残りましたが、満足はできません。

この結果になったのは、各ロボットの製作の遅れが一番の要因でした。そこからロボットの操作練習も順々に遅くなり、余裕を持って予選に参加することができませんでした。これが、今回一番反省すべき点だと思います。

このことを踏まえて、今後は、それぞれ決めたスケジュールを確実に守るために、チームが一丸になってロボットの製作に取り組むことが必要になると思います。

私自身としての問題点としては、競技会はさまざまなアイディアを学べる場であるというのに、自分から他校の参加者の方々と話をすることもなく今回の予選を終えてしまったことです。

今後は、このような機会があれば逃すことなく、進んで話をかけてアイディアの共有をしていきたいです。

近藤由規君(電子機械工学科1年)

大事な大会当日に遅刻してしまい申し訳ありませんでした。これからは、絶対に遅刻しないようにします。

大会会場には、有名な大学チームが多く、本当に勝てるのだろうかと心配になりました。ロボットも見るからにカッコ良く、強そうでした。隣のチームはロボットにプラスチックの外装がついていて、デザインがいいと思いました。

しかし、競技が始まると、なぜ「ああいう設計にしたのか?」と疑問がわくロボットもありました。4輪すべて可動するため操縦が難しそうだったり、車体が大きくて旋回に時間がかかったり、大きく揺れているものもありました。

先輩たちが作ったロボットと比べると、あれ?とおもう機体が多く、先輩たちの方がすごいんじゃないかと思いました。

今回の救命ゴリラ!!は、ダミヤンを1体救出搬送して7位でした。2号機の救助ができていればもっと上位に入ったと思います。

先輩たちは「ダメだった」と落ち込み、入部先生は「審査委員の評価が下がっている」とおっしゃっていたけど、僕には理由が分かりませんでした。

今回の大会では2号機の退場があり、競技内容を見て次の大会で作りたいものが出てきそうだったのに、何がダメだったのか理由が分からないから、次にどのようなことをやればいいかわからなくなってしまいました。ダメなところをちゃんと教えてほしいと思いました。

鼓 悠介君(環境技術学科1年)

大会予選を始めて見ました。やはり機構がシンプルなものが、いいタイムが取れると思いました。新しいアイディアを盛り込んだロボットもありましたが、奇抜なだけで確実性がなく、目的と手段と取り間違えているように感じました。

いいタイムを出すために、ガレキを撤去せずにダミアンを救助するのを見て、確かにその方法なら素早く救助できるが、救助作業時にダミアンやロボットが瓦礫にぶつかる危険性があります。レスキューロボットはダミヤンをどれだけ早く救助するのではなく、人間の命を安全に救助するためのものである、と自分は思います。

来年の自分が作ったレスキューロボットでコンテストに出る際は、人の安全性を第一に考えたロボットを作りたいです。

清家悠太郎君(電子機械工学科1年)

予選会場において、他のチームのロボットを見ることができました。他のチームのロボットは自由工房とは違うアイディアがあり、とても勉強になりました。

競技の本番になると想定外の事態もあり得ると、今回のことでよくわかりました。この日のことを生かして、僕も今年からロボットを考えていきたいと思います。

まだこのようなロボットにしようという考えはできていないし、技術も未熟なので今からそれらのことをマスターしていきたいと思います。

平戸裕司君(電子機械工学科1年)

私は、今までロボットに携わった経験が全くありません。この春、自由工房に参加し、ロボコンがどのように展開するのか、ロボットがどのような動きをするのか全く分からない状態でした。

競技会場に入った時、人の多さとロボットの多さに驚きました。どのチームもロボットを囲んで活気がありありました。

私の役目も与えられた当初は慣れなかったが先輩たちの助言を聞いたり、分からないことなどをきいたりして間違いなく着実に自分の役割を果たせたと思う。

練習の時や本番の時のベンチにはいったときのベンチに入った時の動きは忙しくてはじめてなこともあってついていけなかった。

とても貴重な体験ができました。

他のチームのロボットを見ても様々な種類があって興味がわきました。今後の参考にもなりました。これからもロボットについて深く勉強をしていく必要があると感じました。

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