「第29回知能ロボットコンテスト」出場レポート
2017年6月10日、スリーエム仙台市科学館で開催された『第29回知能ロボットコンテスト』に自由工房は計4チーム出場しました。
自立型ロボットがフィールド上のボールや缶を見つけてゴールに運ぶロボコンです。
B,C、Dチームが参加したチャレンジャーズコースはボールを16個回収し、得点を競います。Aチームが参加した「マスターズコース」は、ボールに加え、空き缶と水の入ったペットボトルがあり、難易度がアップします。
大阪電気通信大学自由工房Aチーム 感想
ロボット名:ますたーはんど
自立型,複数型、長300mm×幅450mm×高500mm, 重5kg, 速300mm/s
ライントレース, ビジョンセンサ, ハンド,
二瓶悠介(工学部 電子機械工学科2年)
今年は田中和紀君(工学部 電子機械工学科2年)とチームを組み、ロボット名:「ますたーはんど」を製作してマスターズコースに出場しました。
自由ボール(テニスボール)を入れ5点獲得しましたが、結果は一次予選で敗退しました。
仕様では、ロボットの動きは親機が画像処理をしてボールと缶を識別し子機に渡す予定でした。子機は親機から無線通信で色認識の情報を受け取り、ボールか缶を判別し得点を重ねる予定でした。
去年11月に「マスターズコースで満点を取ること」を目標にし、チームがスタートしました。そこからロボットについて学び始めて1年間で画像処理やライントレースをする技術など多くのことに挑戦しましたが、結果が出せませんでした。
大会に出場して、多くの課題が見つかりました。
親機は画像処理対象物をつかみ、子機は親機から対象物を受け取り得点をするものでした。子機は親機の下を通り時間の短縮を狙いました。
親機と子機で仕事を分け通信をするため複雑になりました。ロボットも大きく重いため持ち運びに苦労しました。
ハードの完成が大会2週間前だったためプログラムが全然書けなかったことも、結果が出せなかった原因です。
ロボット製作を通して安定して動くロボットを作ることの難しさを学びました。来年は今年の欠点を克服してリベンジしたいです。
田中和紀(工学部 電子機械工学科2年)
私は、主に「ますたーはんど」のアーム製作を担当しました。
生憎、急病のため大会出場は断念しました。チームメンバーの二瓶悠介君(工学部 電子機械工学科2年)にロボットを託し大会に出場してもらいました。
私が作ったのは5自由度ロボットアームで、ロボット本体の大きさから全長685mm、モーメント距離345mmと他のロボットと比べて、かなり大きなサイズになりました。
そのため高いトルクが必要となり、使用したDCモータの性能を引き上げるためにギア減速器を用いてアームトルクを289.9倍にまで引き上げました。
その結果アームトルクは16.52[N・m]になり、320mlペットボトルも難なく持ち上げられるだけのトルクを確保しました。
残念ながら大会は一次予選敗退という結果でした。
理由は製作の準備不足です。
ロボットを作るのは今回が初めてで、トルクがなんなのかさえ分からない状態で製作を開始しました。
必要トルクの計算も、モータの速度を落とせばトルクが上がることも知りませんでした。またモータの速度を落とす方法も知らなかったので全てをゼロから勉強しました。
そのためアームの製作に時間がかかりました。
ギア減速器の設計は非常に高い精度で設計しなければ製作が終わった時に使い物にならないものができてしまうので、設計にはとても時間がかかりました。
ロボットアームをあと一ヶ月早く完成させていられればと何度も思いました。アームの完成が遅くなってしまったため、その他の作業に時間をかけることができず思うように制御できませんでした。
この経験を活かし、次回はしっかりと安定した制御ができるようにしたいです。
大阪電気通信大学自由工房Cチーム感想
ロボット名:マキシマ(neo:マキシマ)
自立型,単独型,長330mm×幅160mm×高200mm, 重2.3kg, 速のんびりmm/s
ライントレース, 距離センサ, 光センサ, 風,
井堀 幸祐 (工学部 電子機械工学科 2年)
今回出場したロボットは、得点となるカラーボールを吸引機で吸い、1個ずつ運ぶシンプルな機構でした。
1次予選は競技点が0点でしたが、実行委員会の推薦で1次予選が通過できました。推薦理由は、最後のリトライで機体に動作不良が起きたためうまくいかなかったが、ボールを取れるからだそうです。
1次予選の結果から、機体の速度を落とすようプログラムを修正し、2次予選前に試走しました。その時は正常に動作していました。
しかし、競技結果は競技点0点、審査点28.34点で2次予選敗退でした。1次予選と同じトラブルでした。
トラブルの原因は、SPI通信間のプログラムか、実行プログラムの全体の作り方だと思います。
これから、その原因を見つけるために調べていきます。そして、信頼性のある機体にしたいと考えています。それと同時に、新しいことに挑戦していきたいです。
堀本 敏輝 (工学部 機械工学科 2年)
本大会の出場に2日、準備に3日を要しました。本大会がロボコン初出場だったので、いろいろなことが新鮮でした。
僕の担当は、マシンの組み立て、簡易フィールドの作成、バッテリーの充電、競技の撮影です。
僕たちのマシンも含め動かないマシンも多く、「これがロボコンなんだ」と思いました。本大会で見た他チームのマシンの中で、ライントレース以外の位置補正として外壁にぶつかりそこから自分の位置を把握する手法や、大量の小型マシンを使ってのボールを仕分ける手法が印象的でした。ステッピングモーターを使用したマシンが多かったように感じました。
次回マシンを作成する際、参考にしたいと思います。
大阪電気通信大学自由工房Bチーム感想
ロボット名:ジョン・ドゥ2
自立型,単独型,長300mm×幅300mm×高400mm, 重4.2kg, 速20mm/s
デッドレコニング, ビジョンセンサ, ハンド,
前田 直樹 (工学部 電子機械工学科 2年)
今大会は、3色のボールを仕分ける「チャレンジコース」に出場しました。
対象物までスムーズに移動させることが目標にして、機体は三輪でオムニホイールを用いました。ホイールにオムニホイールを採用することで360度動くことができます。対象物までの距離は画像処理で読み取る予定でした。
競技ではボールをとれませんでした。コードが断線してしまい、動かなくなったからです。調整しているときは動いていたため、あまり注意して点検しなかったのが原因でした。
反省点は点検を怠ったこととメンテナンスしにくいハードを作ってしまった点です。また、実際に動かせていてもボールを1個しか取れていなかったプログラムでした。開発が間に合っていませんでしたた。
自分の目標であるきちんと動くプログラムは、この1年ではできませんでした。今回、見つかった課題と合わせて、メンテナンスしやすいロボット設計をしていきたいと思います。
今年の失敗を生かし、来年はしっかりスケジュールを組んで製作、加工、プログラムをします。
今回のロボットコンテストでは、2台のロボットによる協調性があるロボットや、大型な機体でボールを一気に回収するロボットがとても印象的でした。
漆原 宏丞 (工学部 電子機械工学科 2年)
本番直前になってディスプレイが故障してしまい、ラズベリーパイでの画像処理プログラムを実行できなくなりました。そして、結局ロボットが動かせず、結果は予選敗退です。
今回のような結果になったのは、自分が春休みなどの長期休暇で怠けていたのが原因です。
そのせいで、足回りのプログラムの開発が遅れ、そして十分なテスト時間が取れず、今回のようなロボットのスタート方法を選択せざるを得ませんでした。
とは言え、もっと早くに、スイッチを使ってロボット側のプログラムを起動する方法に気づいていればこの結果は避けられたかも知れません。
つまり、ロボットを本番で動かせなかった原因は全て自分にあります。もっと早くに行動していれば……、と後悔ばかりです。
自分が来年の大会にロボットを出すことが決まれば、その時は今回の反省から最速でプログラムを組み上げるつもりです。そして、どのチームよりも早くロボットを完成させるつもりです。
大阪電気通信大学自由工房Dチーム感想
ロボット名:デリバリードラゴン(デリバリードラゴン)
自立型,単独型,
長437mm×幅290mm×高668mm, 重5.0kg, 速20mm/s
ライントレース, 距離センサ, 光センサ, 音センサ,
中井 勝也(工学部 電子機械工学科 2年)
僕たちの作ったロボットはアームを3Dプリンターで作りました。そのアームは3自由度で動き、ボールを飲み込む機構です。ボールは最大9個収納できる箱がついています。
ライントレースをして進んでいきます。結果から言いますと、自由ボールの5点だけでした。悔しかったです。カラーボールを色識別して各々1つはゴールへと入れるのが最低目標と決めていました。
しかし、それを達成することができずに終わってしまい悔しいです。
なぜ5点で終わってしまったかというと、出場前の試走のときにアーム部分のサーボモータが壊れてしまったのです。それが原因でアームは動かなくなりました。そのままの状態で出場しました。
ロボットの過程でも原因があります。制作段階で進んでいくとそれに付随して問題が発生し、加工をまたしたりして、進まなくまり、予定がずれていきました。プログラムに費やす時間が減っていきました。
ハード面に時間を費やしすぎたと思います。正確性にかけた状態での出場となってしまいました。ハードにこだわりすぎず、足回りやライトレースのプログラムをこだわるべきだと思いました。
初めて作るので、時間がかかるのはわかっていました。そこで安定したライントレースを目指すべきでした。
今年の大会では高校生が躍進していましたが、大学生がいまいちでした。やはり、上位のチームは安定したライントレースで、動きに無駄がなかったのが印象的でした。しかし一次予選通過の最低得点が20点でした。
これは去年に比べて5点低かったです。今年は最優秀技術賞がなかったです。今年は僕らのチームと同じで自由ボールだけや、0点が目立ちました。またマスターズコースは去年同様参加チームが少なかったです。
今後の課題はあきらかです。組み立て、分解しやすい設計、加工をする。安定したロボットの動きをする。確実に取れるアーム作りをする。いっぱい課題はありますが、一個ずつやっていきたいです。
里見 翼 (工学部 電子機械工学科 2年)
今年、初めて知能ロボットコンテストに参加しました。準備では、机や椅子、垂れ幕などを設置し、とても大変でした。
ロボットの調整をする時間があまりなかったので、想定していた時間よりも短い時間で調整することが大変でした。
準備を終えて、ホテルでロボットについて話し合いました。ライントレースの光センサーの値が不安定で、ロボットが脱線してしまったので、改善策を見つけることにしました。当日は、競技までに3回ロボットを試走させました。しかし、ライントレースで脱線してしまいました。
競技では、どこに置いてもどこに入れても大丈夫な自由ボールを回収し、5点という結果でしした。
次回までの改善点は、足周りハードをしっかり作り、光センサーの値が不安定にならないようにしたいです。
他のチームのロボット見て、アイデアや機構など多くのことを学びました。制御の仕方なども全然異なり、もっと個性が強いロボットが作れるんだと思いました。
競技は悔しい結果でしたが、貴重な体験ができて楽しかったです。