「第2回電通大杯 マイコンカーラリー大会」自由工房メンバ 参戦記
2009年2月7日(土)に、寝屋川キャンパス自由工房にて、「第2回電通大杯 マイコンカーラリー大会」を開催しました。
2008年5月から11月まで8回に渡って、オープンセミナーを開催し、番土 隆氏(砺波工高、2008年大会優勝)らの講義を受けたり、実践形式の練習会を行ってきました。画像処理のマイコンカー製作講座など、他にはないコンテンツもありました。電通大杯は、この1年の総括として、大会形式で学習の成果を披露する場として設けました。
大会は、高校生と一般参加を、それぞれ全国大会出場経験者(Aクラス)、これから全国を目指す人(Bクラス)に分けました。公式大会にはない「画像処理部門」を設け、多くの参加者の注目を集めました。
電気通信大学自由工房からは、一般の部Aクラスに「刃蒼」(富田信君:電子機械工学科1年)、「音速侍」(古川陽介君:電子機械工学科3年)、Bクラスに「わんこTypeR」(増田健剛君:電子工学科1年)、「☆riv.」(石村仁志君:医療福祉工学科1年)、「XとんかちX」(和田貴大君:情報工学科1年)、画像処理部門に「未来」(林雄一君:電子機械工学科3年)の6台が出走しました。
Aクラス部門
「刃蒼」(富田信君:電子機械工学科1年)は、1回目の走行はスムースに走ったのですが、最後のレーンチェンジの直後にコースアウトしてしまい惜しくもリタイア。2回目は、10°の傾斜を登り切ったところで勢いよくダイブして飛び出してしまいました。
「音速侍」(古川陽介君:電子機械工学科3年)は2回とも最初の難関、S字カーブを曲がりきれませんでした。コース設計者なので、難易度チェックのために前日に走った時には大丈夫だったのですが……。大会後に原因を調べたら、サーボモーターのガタがいろんなところに出ていて、走行に悪影響を及ぼしていました。何度も走行チェックした負荷があったようです。古川君は、「来年はメンテしやすいロボットを製作し、万全を期したい」とこの経験を次に活かそうと意欲を燃やしています。
Bクラス部門
「わんこTypeR」(増田健剛君:電子工学科1年)は、2回とも最初のクランクを曲がりきれずにコースアウトしてしまいました。
「☆riv.」(石村仁志君:医療福祉工学科1年)も残念ながら、2回ともコースアウトしてしまいました。左右に曲がる時に、機械的なガタがでてマシンが違う動きをしていたようです。石村君は、「まともに走ってゴールできていれば、3位を狙える機体だったのに……」と悔しそうでした。
【動画】「わんこTypeR」2回目
【動画】「☆riv.」1回目
「XとんかちX」(和田貴大君:情報工学科1年)が、1回目の走行で21秒57でゴールし4位になりました。3位とのタイム差は、わずか1秒。2回目の走行で入賞を目指しスピードを上げてきましたが、ゴールできませんでした。基板の故障があったり、最後までトラブルが多かった中で頑張って成績を残しました。「来年に向けて20秒切るマシンを作りたい」と気合いを入れています。
【動画】「XとんかちX」1回目
画像処理部門
「未来」(林雄一君:電子機械工学科3年)が、画像処理部門で優勝しました。林君にとって、初めて作ったマイコンカーです。マイコンカーラリーは、オープンセミナーで講義を聴いて興味を持ったそうです。サイトで公開されているレジュメを参考に、画像処理をイチから勉強しました。機体はほぼノーマルだけど、ソフトには力を入れたそうです。カメラが振れると画像がぶれてしまうため、安定した走行を心がけたのがポイントになったといいます。2回目のチャレンジでは、司会者から「本当に制御しているんですか?」と言われるほど、直線をまっすぐに走りました。もちろん、ばっちり制御しているので、カーブを見事に通過して観客から感歎の声が上がりました。画像処理は、外の光やコースの影にも影響を受けるので、林君は「運がよかったなぁ」と謙虚なコメントをしていました。
コース設計
参加者以外の自由工房のメンバはスタッフとなり、前日までの会場準備、受け付けから司会進行、選手誘導等、スムースな運営のために努めました。
今大会のコースは、プロジェクトの学生代表を務める古川 陽介君(電子機械工学科3年)が設計しました。コースのコンセプトは、「地区大会によくある課題」+「1ヶ所だけ全国大会レベル」だったそうです。全国大会レベルの課題とは、2回目のクランクからレーンチェンジに入る部分です。これは、2009年大会本戦に取り込まれていました。全体的には、それほど難しいコースではなかったのですが(実際、高校生BクラスやBasicクラスの参加者も完走しています)、思ったより完走率が低かったそうです。スタート後の直線から、S字カーブでの脱落が多く、最初からスピードを出しすぎて処理がしきれていないような感じがありました。「一回目は、若干スピードを落として確実に完走、2回目に記録を詰める」というのは、本大会でも重要なノウハウなので今回の経験を活かして、次回の地区大会突破を目指してください。